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最初の出会いは元帥


「ここが入り口か、ってか地味にさっきから洞窟が光らなくなってるな、どうしてだ?」


あれからどれぐらい経っただろうか?


私は地味に長い距離をひたすら歩き、海岸の岩場を何とか乗り越えとうとう洞窟の手前までやって来ていた。



途中、チマチマ洞窟の方を見ていると、途中で洞窟の光が消えてしまっていたが、そのことは何で光が消えたのかと言う私の新たな疑問となり、更に洞窟へと赴く意思を強めるだけであった。




「さて、取り敢えず中を確認してみるか・・・・ん?」


薄暗い洞窟内へと足を運び出すと、いきなり左足が何かにぶつかったのを感じ取った。



「ん?」


石のように硬いような感じがしなかったので何だろうと思いつつ足元を見ると、そこには、軍装と思われる服装で金髪の女性がおもいっきり倒れていたのである。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!土左衛門じゃねぇかァァァァァァ!」


こんな洞窟のすぐそばに遺体とかいきなり過ぎて精神に大ダメージである、とかそんなこと思っていたら、私の叫びが聞こえたのか何なのか、倒れていた女性がぴくり、とし始めた。


「だ・・・・誰が土左衛門よ・・・・生きてるのに水死体扱いとはいい度胸じゃない・・・・」


「あ、生きてたのね・・・・、洞窟入ってすぐさま水死体とか洒落にならんと思っていたが、取り敢えず生きてて安心した・・・・」














「はぁ・・・ここはいったいどこなのよ、そしてどうしてこうなってるのよ、」


「私に言われてもなぁ」


「まぁ、そりゃそうよね、もしかして貴方も同じくいつのまにやらここにいた感じ?」



「まぁ大体あってますね、さっきまで正確には結構な範疇で記憶失ってあっちの海岸にぶっ倒れていたんです。」


「記憶喪失?奇遇ね、私もここにいる理由が全くわからないのよ、」



洞窟の入り口で土左衛門みたいな状態でぶっ倒れていた金髪蒼眼の軍人と思われる女性は、私が記憶を一部失っていることを話に出すと、彼女も同じ立場であることを告げ、自己紹介してくれた・・・・そして混乱することになった。



「私の名前はルール・ラインラント、【ヴァイマール共和国連邦】海軍特別行動艦隊、司令長官よ」


「えっ?ヴァイマール????ドイツじゃなくて?・・・・と言うか女性で艦隊司令!?」


ヴァイマールと言う言葉に覚えはあるがそれは過去の国家の名称として使われるものであり、現在、私の知る限りではそこはドイツと言う国があった筈・・・・それに日本では女性で艦隊司令官クラスの人物を輩出したと言う話を聞いたことがない、海外は知らんがいたとしても相当希少な存在の筈だ。


そんな事を思いながらに彼女の言に反応していると、更に驚愕の回答が彼女から返ってくる。



「ドイツ?【前の戦争】でぶっ倒れたヴィリーの帝国の事かしら?」


「・・・・前の戦争?失礼だが、そちらの記憶のなかでもっとも新しい日付はいつだ?」


「・・・・!?、そういうことね・・・・【1945年1月2日】、一応、覚えてる限り最後の艦隊出撃日ね、仕事してたら国に色々押し付けられて、最終的には【志願兵から元帥】にまで上り詰めた私だけど、戦略単位は得意じゃないからずーっと前線詰めだったのよねぇ」


「・・・・元帥!!?前線の人物が?そんな事があり得るのか!?、それに1945年って・・・・私の記憶の日付は2018年3月26日・・・・」


「あ、忘れてたけど年齢は36よ」


「私は一応記憶の限り20代頭の筈・・・・え!?36!?」


話が本当であれば、私がいた時代と彼女のいた時代は70年ほど違っているし、記憶が正しければ彼女は現実は存在せず、空想物語の類いでもその事例を見かけない女性で軍人の頂点に等しい位置に上り詰めた人物と言うことになる。


ましてや私の知る20世紀前半はまだ女性の軍人何て極端に珍しい時代である。


更に言えば30代での元帥も例を聞いたことがない、これだけで如何に目の前の女性が凄まじい人物なのかを感じさせるものだった。


「まぁ流石に反応するわよね、国にこの勲章と共に半ば押し付けられたブツだけど、まぁ文句が激減したからそれはそれとしてよかったのだけど」


「・・・・勲章は見たことのない形だな、まぁそこに関してはこれ以上特に気にするでもないか」


「まぁ貴方は未来人なのとか色々聞きたいことはあるけど、はなしが長くなるでしょうし、それとあなたの名前を聞きそこねたんだけど・・・・」


「・・・・忘れてた、私の名前は天樹 蒼治、大学の学生だ、まぁ本当の所その辺の記憶まで失ってたから所持品見て一応そうなのだろうと仮定してる名だけどな。」


「自分の名前すら記憶から抜け落ちたの?中々に深刻ねぇ、まぁその名前で支障無さそうだし、宜しく頼むわ、蒼治」


「こちらこそ宜しく、ルール元帥」


「ああ、呼びに関してはルール、或いはルーで良いわ、本名ままの【ルール】だと紛らわしさで色々面倒でしょう?」


「・・・・確かに、ルールだと規則とかと間違えかないな・・・・宜しく頼む、ルー」



こうしてお互いに色々聞きたいことは更にあれど、私とルール元帥・・・・ルーは互いに紹介を終えた。










「んで、早速だけどあの建物、気になるわね」


「気になりますね、何でこんなところにあるのやら?」


自己紹介を終えた私とルーの目先には洞窟に空いた大きい空洞と、そこに残されたテントであった。







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