表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/27

デスタール

お久しぶりです。間が少し空いてしまいました(--;)

ちょっと体調が良くないので、暫くはゆっくりペースでいきます。


デスタールの港町アルハイムは同じ港町のフィラーラと同様に活気づいた町だった。フィラーラを十分に見たわけじゃないから、港町として二つにどのような違いがあるかは分からないけど。

でも、ぱっと見て感じるのは奴隷の多さ。ぼろきれのような服を着たあからさまに奴隷と分かる人もいれば、一見綺麗な格好をして分かりにくい人もいる。それでも奴隷は一様に首に以前アルが付けていた物と同様の首輪を付けており、表情が暗い、生気が感じられない顔をしていた。


「獣人の奴隷が多いのね」


私が隣にいるアルにしか聞こえない程度の声で呟く。アルも同じように感じたようで、頷く。


「あぁ、おそらく鉱石の採取の際に獣人の方が役立つんだろう。獣人は人に比べて感覚が鋭いし、肉体も強靱だからな」


エルフや人の奴隷もいるけど、断然獣人が多い。人魚もいたけど、観賞用なのか他の奴隷に比べて綺麗な服装をしている。


あぁ、本当に。

イライラする。



でも私も分かってる。ここで片っ端から助けていってもほとんど意味はない。アンディールに比べ、ここにいる奴隷の多くは借金とかが理由じゃないと思う。それを全て解放していけば、この大陸の形態を崩してしまう。そして、それは世界のバランスを崩すことに繋がる。


「なんか、別の大陸に行きたいって言ったけど、この大陸はあまり好きになれないかもね」

「神がそんなこと言って良いのか?」


そう聞いてくるけど、アルもその答えは分かってる。


「今の私は神であって、神ではない。言ったでしょ。嫌なものは嫌だって」

「あぁ、そうだな」


苛つくのを押さえながらも、フィラーラではあまり見られなかった港町を見て回ることにした。

せっかくだから、食材とか調味料なんかも揃えたいしね。

店を回っていけば、苛立ちも徐々に治まってくる。楽しいとまではいかないまでも、食材などを購入する時は集中してたから、周りがそれほど気にならなかったし。

買い物を済ませ、町中を歩いていると後ろの気配に気がつく。


「アル」

「あぁ……付けられてるな」


店に立ち寄った時などに見える人影。それがさっきからずっと一定の距離で付いてきている。

おそらく狙いは持ち物か、私自身。

自惚れじゃなくて今までのことを考えれば、私というか黒髪が本当に珍しいということに気づく。ちなみに黒目も今までの道で見たことがない。

確か世界を創った時に黒髪黒目もいたはずなんだけど、他の色と混ざることで少なくなってしまったのか、それとも別の理由があるのか。


後ろに付いてきているのは二人、でもよく見れば周りにも何人か通行人とは違った雰囲気の人が見え隠れしている。

ここで動けば無関係の人も巻き込まれる。


「アル、私に付いてきて」

「わかった」


私は不自然にならないように少しずつ人の少ない方へ移動していく。

路地を抜ければ港の端に出る。ここまで来れば普通に歩く必要もない。足早に、けれど後ろが付いてこられる速度で走り、そのまま岬に到着する。

周りに人の姿はない。そう確認したのは私たちだけではなくて。


「……こりゃ都合良く人気のない場所まで来たもんだ」


そう言ったのを皮切りにゾロゾロと現れる男たち。あっという間に十人ほどが私たちの周りを囲んだ。後ろは崖、前には見た目屈強な男たち、普通であれば絶体絶命といったところ。


「ま、私たちには関係ないか」

「あ?」


私の独り言に反応したが、特に追求することはなく反対にニヤニヤと私を見てくる。


「男も使えそうだが、女は珍しい黒持ちだ。おめぇら女は傷つけんなよ」


恐らくリーダーと思わしき男の言葉に周りもニヤニヤと気持ち悪い顔をして、一歩ずつ私たちに近づいてくる。

イケメンに囲まれるならともかく不細工に囲まれる趣味はない。というか、気持ち悪いから、近づくな。


「あー、アル」

「なんだ」

「私パス、よろしく」

「わかった」


アルは背にしている大剣を抜き、構える。一瞬大剣にびびった様子だったが、男一人と舐めたのか一斉に襲いかかってくる。





「お疲れさま」

「あぁ」


勝負……というのも可笑しくなる位一瞬で終わった。男たちは足下で倒れているが、死んではいない。アルが上手く剣の柄や腹で叩きのめしてくれた。剣使わなくても良かった位に呆気なかった。


「こいつらどうしよっか」

「人さらいのようだし、役人に引き渡すか」


一人二人ならともかく、この人数を引きずっていくのも面倒だから魔法で眠らせて、役所に場所と人数を伝える。

役人は慣れた様子で対応している。なんでも冒険者や商人が被害によく遭うらしい。

警備しっかりしろよ。

それでも、そういった土地とわかって来る者が多い為、返り討ちにあい今回のように役所に連れてこられる場合もあるらしい。


それでいいのか。

来て早々、これからのことを考えると溜息が出た。




そういえば、最初の国でも絡まれてたな……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ