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第七話

洞窟の奥まで行く途中、何度も敵と戦いその度少女や班長に守ってもらいながら進んでいった。

奥まで行くと先程の食堂と思われる広間よりも更に大きい空間に出た。中央には何かよくわからないが禍々しい祭壇のようなものがあり、その中央に羽馬が寝かせられその周りには羽馬を連れて行った男と黒いローブにこれまた禍々しい仮面を付けた男が何人も立っている。幸か不幸か羽馬は気を失っているようだった。

班長は仕方ないな一応言っておくかと言った様子で投降を呼びかけた。


「おい、お前ら。降伏するなら今のうちだ。そこの小僧を放して大人しく降伏したほうが身のためだぞ。」

「クックックック…。我らが貴様らごとき矮小な存在に降伏?笑わせるでないわ!」

「降伏はしないということでいいな?」

「するわけがなかろう!」

「はいはい。全員お仕事開始ですよー!」


班長がそう言うと周りの人たちが武器を構え、使い魔と思しきモンスターを呼び出し場の空気ががらりと変わり一瞬で戦場に変貌する。


「坊主、俺から離れるな。レティ、お前もこいつを守ってやれ。」

「わかってます。」

「はい。」


班長はかなり場馴れした無駄のない動きで手に持った剣と銃をまるで自分の体の一部のようい扱って立ちふさがる敵を次々と屠っていく。

レティと呼ばれた少女も負けず劣らず流れるような手つきで刀を振り敵を戦闘不能に追いやっていく。


「クッ、我々がこのような者達に押されているだと…!?仕方ない、『来たれ、来たれ、来たれ、黒き黒衣を纏いし永遠を生きる魔術師よ、汝と契かわした我に力を貸したまえ!』」

「『森を司る偉大なる大地の番人よ、汝と契約せし我が問いかけに応じその姿を我の前に現せ!』こいや!」


ローブの男が詠唱を行い骸骨にボロボロの服を着たリッチを呼び出し、班長は森の番人と言うにふさわしいトレントを呼び出した。


「その愚か者を目障りな枯れ木ごと焼き尽くせ!」

「その未練がましく現世に居つこうとする骸骨を叩き折れ!」


両者ともに相手の使い魔を倒すように使い魔に命令を下す。

トレントがリッチを地に叩き落すべく長い枝を鞭のようにしならせてトレントの先制攻撃が決まり、リッチが壁の方へと飛んでいき大きくへこませるがそれを意に帰した様子もなくフワリと宙に浮くと理解できない言葉をつぶやくき反撃にトレントを炎の渦に閉じ込め、そのまま焼きつくそうとする。


「ここは任せろ!坊主!お前の友達なら自分で救ってみろ!」

「言われなくても自分で助けます!」


幸運にも周りの敵は班長の部下の相手で手一杯で僕の相手までしている暇はないようだ。

一目散に祭壇まで駆け寄る。羽馬の体には何もされた様子もない。


「おい!羽馬、羽馬!起きろ!」


思い切り羽馬を揺さぶってみるが、目を覚ます様子はない。それを見た少女が羽馬の様子を見る。と、苦い顔をする。


「カムイ。今はこの友達を起こすのは無理っぽい。外に運びだすよ。」

「羽馬は大丈夫なの!?」

「命に別状はない。けど、面倒なことになってる。今は運び出すほかない。」

「…わかった。」


すぐに少女と一緒に羽馬を洞窟の外へ運び出した。それから治療を受けて安静にしているとしばらくして戦闘は収束したようで班長とその仲間の人達が盗賊たちを縛って中から意気揚々と出てきていた。中には怪我をしている人もいたが僕を治療してくれた人がすぐに駆け寄っていき僕にしてくれたように魔術を使って治療する。怪我をしている人には班長の姿もあった。


「うん?坊主、よく死ななかったな。」

「あ、はい。みなさんが注意を退いてくれていたので…」

「そうか。」

「ありがとうございました。」

「…お前、これからどうするんだ?友達も寝たままだってな?」

「それは…」

「仕方ないな、本来だったらないことなんだが一度ウチに来い。」

「えっ。でも…」

「捕まってた奴隷の面倒も見るの依頼の内だ。気にするな。」

「ありがとうございます。えっと…」

「ああ、俺の名前はアーヴィング。ギルド『エスペランサ』所属の冒険者だ。」

「そして、わたしも同じく『エスペランサ』所属のレティって言うの。これからよろしくね!」

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