プロローグ
目が覚めると、見知らぬ花畑の中で寝転んでいた。
「ここは天国か?俺は死んだのか?」
何も思い出せずにいた。するといきなり、目の前に魔法陣が現れ、そこから一人の美少女が出てきた。
「ここにいましたか。勇者、カズト」
あれ?何でこの子は俺の名前を知ってんだ?
「何で俺の名前を知ってんの?
ってか、勇者ってナニ!?」
美少女は、不思議そうに俺の顔を見る。
「あなたが、勇者の求人に応募されたんじゃないんですか?」
その一言で全ての事を思い出したのだ。
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俺はいつも通り、自宅警備員としての職務を全うしていた。まあ、ほとんどパソコンとにらめっこをしていただけなのだが・・・
最近ハマっているネトゲ〈勇者伝〉では、今や神と崇められてなんかしている。時間と労力を掛けてやりこんだ結果だ。
そして、今日もレベル上げに勤しんでいると、母が怒鳴り込んできた。
「和人、なにやってんの!早く働きなさい」
「うるせぇな」
「ここに求人のチラシ置いとくから見ておきなさい」
「へいへーい」
働く気はないが、レベル上げに飽き、やることがなかったので、チラシを流し見る。
「コンビニ、ファミレス、カラオケ・・・」
どれもありふれた、バイトばかりだ。
つまらんと思ったその時、面白そうな求人をみっけた。
「なになに、『勇者募集中、詳しくはWebで』」
「胡散臭いな、コレ」
そういいながらも、徒然なるままに、検索してみた。
『 勇者募集中
助けて下さい。魔王からこの街を救って
下さい。お願いします。
アリス 』
面白そうだ。応募してみよう。
『あなたの名前はなんですか?』
「我妻 和人」
『フリガナ』
「アガツマ カズト」
『あなたはどの職業をのぞみますか?』
「剣士」
っと、これだけか。
『ありがとうございます。健闘を祈ります』
「何か他人事だな」
すると突然、眠気が襲ってきた。
「眠い、寝よう。」
俺はベットに吸い込まれるように眠りについたのだ。