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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

He finally won recognition.

シャドウ ー黒い感情ー

作者: こりゆ

「シャドウ」との出会いの一歩前編です。

「私」はまだちゃんと「シャドウ」を認識していません。


拙い文章とは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

あれはいつだったか、

これは私が「シャドウ」の存在に初めて気がついた頃の話。


私はいつものように友達と一緒に何気ない会話を楽しんでいたと思う。


記憶が曖昧なのはずいぶん昔の話だから。



私は何も考えないで能天気な顔して笑いあってたんだろうな…。



そんな自分を「シャドウ」は無表情でじっとこちらを見ていたなんて、私は知らなかった。

「シャドウ」は私があなたのことそっちのけで楽しんでるから面白くなかったと思う。


無視してたとかじゃなくて、あの頃はただ私が「シャドウ」の存在に気づけてなかっただけ…だからごめんね。




友達の何気ない会話。

それは楽しい話であったり、

悲しい話であったり、

自慢話だったり、

ネタだったりする。


それに私はうんうんと相槌を打ちながら、時にウケてバカみたいに笑う。でも相手が落ち込んで必要であればアドバイスをしたり、共感しながら話を聞く。



だけど、

私はある種の話だけはどうしても心で思ったことと口から出る言葉が一致しなかった。


言葉では

「すごいね!絶対あなたならできるよ~」

!応援するね!」


顔に張り付いたような歪な笑顔という仮面はずり落ちそうだ。


そんな私に違和感がある。


心の奥底で



ザラリ、どろっとした


黒い


重い


感情が


自分の意図したものではない。


瞬間的に


ふと


心でしゃべる




それは嫉妬?


似ているけど違う。


ほの暗い感情。


この感情を感じた瞬間


何か


私だけではない



誰かの存在を感じる。




誰だろう…?



分からないのに存在だけは感じる。



私と思いを共有しているようだ。


思いだけじゃなく、同じ景色を見ている錯覚すらする。



あなたは誰?



あなたがこの感情を感じたの?



この醜い感情は本当に私が反射的に思ったことなの?




そんな訳ない!



私は友達のことを応援するし、邪魔なんてしない!




私は優しいってよく言われるし、いいコだって言われ続けた!



自惚れかもしれないけど自分だってそう思ってる!



こんな醜い黒い感情は私じゃない!






私は必死だった。





違う!とずっと黒い感情に否定をして

見て見ぬ振りをしてきた。



黒い感情を感じてもすぐに消して心とは逆の言葉を口から流してきた。





私は



黒いその感情から




逃げた。



蓋をして鍵をかけ、見ないようにしたのだ。



向き合うのが怖かったのかもしれない。

私はそっと、そこから立ち去ろうと、前向きに進むという訳のわからないポジティブ思考に身を委ねて歩き始めた。









そんな逃げた私を誰かが

じっと見つめている。


口の端を僅かに持ち上げたそれは、ひどく冷たいオーラを纏っている。

本人は笑ったのだろうか、だけど目はどろっと淀んでいるような黒く深い、感情が読めない。




「今は逃げてもいいよ。」

抑揚のない、でも悲しそうじゃない声色。

女性よりも低い成人男性よりの少し高めのそれは誰にも聞かれることがなかった。



「だけど、絶対に君から僕を求めるようになるから…。


その時、君は泣くかな?笑うかな?


楽しみだよ。」





ゆっくり



でも確実に私を捉えようとそれはひっそりと手を伸ばす。






さぁ、




始まりだ。

















最後までお付き合いありがとうございました。

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