表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

「短いお話集」

「俺殺人事件!:改訂版」

掲載日:2026/07/06

俺の住むマンションで起こる謎の陰惨な連続殺人事件、そして次の標的は俺だった?!

 俺の住む都内の某マンションで

殺人事件が起きた。

始まりは3階のエレベーターから1番近い

301号室に住む

1人暮らすOLだった。

凄惨な事件の犯人は、

無惨な遺体だけを残し、

足跡一つ残さず犯行を行い、

警察は何一つ手がかりすら見つけられず、

そして2ヶ月後、

その隣の

302号室の同棲中の男女も殺害され、

そしてまたその隣の住人も

次々と部屋順に舐めるように、

同一犯と思われる殺人が行われ、

マンションの住人も

この界隈の住人たちもパニック寸前に、

マスコミも一丸となり、

無能な警察を糾弾したが、

お手上げ状態の彼らは、

ただただ弁明と早期逮捕だけを口走り、

犯行手順すら見えない

連続猟奇殺人犯に対処しようと、

マンション入り口に

昼夜問わない警官の配備、

パトロールをさらに強化3交代制に。

だが、それでも犯行は2ヶ月後にまた起こり

警察の威信はますます地に落ち…そして、

この3階で最後の部屋、

306号室は目前となり、

全室埋まっていたこのマンションから

次々と住人は去って行き、

近所の賃貸物件からも続々と

引っ越しラッシュ…

そしてこの界隈で最後の住人こそが

俺だった。

俺も恐ろしくて怖くて、

死ぬほど越して行きたいと願ったが、

ダメ人間の友人の金銭トラブル…

そいつの連帯保証人となっていて、

馬鹿が借金踏み倒して雲隠れしたおかげで、

貯金は底を尽きかけギリギリの生活で、

引っ越すなどの余裕は微塵も無く、

部屋の順番通りにいけば、

どう考えても俺が次の標的!

狂わんばかりの日々を送りそして、

その時は目の前に迫ってきているのだ!

その現実に押しつぶされかけている俺だった。


 部屋の玄関前にも警官が配置され、

一時間おきにドアをノックされ、

室内に幾つか防犯カメラが無理やり設置され、

24時間監視対象。

恐怖で不眠の日々と、

栄養失調気味で体はもうボロボロ…。

手持ちの現金も無くなり食料も減り、

外へ出るしかないのだが、

出来るだけ外へ出したくない警察は

俺に部屋に踏み留まるよう半強制的に

彼らが金を貸付け、

俺に借用証を書かせ、

初めはラッキーだと思っていたがそうではなく、

被害を最小限に抑える為と…、

警察の威信を賭けた捕物を

成就させる為の餌…

俺は対容疑者への最後の餌…。

それに気づいた時、

絶望が滲み、

いっそこのまま…空へ…

よからぬ思いがよぎっていた。


 時は迫り2ヶ月が過ぎようとしている頃、

このマンションが見通せる

近所の空き部屋となったマンションは、

こぞってマスコミが借りまくり、

開け放たれた窓から無数のカメラ、

テレビカメラが突き出し

待機するマスコミ。

1本しかない

マンションに面した道路は

両側を完全に封鎖され、

大人数投入された警官たち、

そしてなんと近所の高いビルには、

スナイパーまでもが配置され、

頭上には報道のヘリが飛び交いとても煩く、

俺の猛烈な苦情で追い払われたが、

俺は何か特別な人間になったような

錯覚を覚え、

だが結局はただの餌!

ふざけるなふざけるなと何度も呟き、

刻々と時間は迫り、

ガクガクと震える頬のコケた男を皆が

息を飲み見つめている…。

テレビでは俺の人となりを紹介する

コーナーまで作られ、

一躍時の人となり、

両親も顔はぼかされていたが、

心配だと心境を吐露し涙し、

俺も思わず泣いてしまい、

願い事をもう一度父母に電話していた。

それは金の無心。

でもやはりこちらも金は無いと跳ねられ

俺はまたずっと泣き腫らし、

落ち着いた頃、

携帯電話が鳴り、

小学生の時片思いしていた

ミサキちゃんから励ましの電話がかかり、

私も実は好きだったのとか言われ、

ちょっと上手く出来過ぎてるなと、

かまかけてみたら偽者で

多分どこかのテレビ局のやらせのようだった。

俺は腹が立ちまくり、

1人大声で騒ぎ腹の虫が収まらず

監視カメラに向かい、

「プライバシーの侵害だー」

 っと八つ当たり、

カメラを全部引きちぎっていた。

だけどそこから続々と友人、

知人から電話が来てやはり励まされ、

鎌かけたら以降本物で、

また涙ぐんでしまっていた。

でも、でもだ、誰も資金面の援助を

してくれる者はおらず、

ただの餌だと分かっているようだった…。


 そして3時間…あと3時間で夜の12時、

前回の犯行から2ヶ月後が来ようとしている…

俺の命運がたったの3時間で決まりかけている時、

運命の電話が鳴ったのだ。

それは馬鹿だった。

馬鹿は俺の状況が耐えられないと

電話口で泣いて逃げた事を詫び、

そうこいつが俺をここに

踏みとどませた連帯保証人のトンズラした

あいつだった。

俺はこれ以上ない怒りを抑え、

冷静を装い、

彼の嗚咽を聞き震え声をなだめ、

「で、お前今どこにいるんだ」

 すると馬鹿は、

素直に住処を教えてくれ、

そこはここから遠くない場所。

そんな所に潜伏してたのかと

抑えられない怒りは、

マンションを飛び出させていた。

大勢の警官は何事だと

俺を押さえようと立ちはだかったが、

「真犯人に会いに行く!」

 と言い放った俺の一言で、

彼らは色めき立ち、

大通りに出てタクシーを止めると、

今の今も携帯ニュースで

このシーンを見ていて、

自分が映っていると驚くドライバーに

行き先を告げ乗り込んだ。


 警察は覆面パトカーに乗り

何台もの車両でこのタクシーを

追っていると思われ、

1時間後馬鹿の住処に着くと、

ドライバーに料金は警察の付けでと降り

そのボロアパートを発見すると

玄関を叩き壊し乱入し、

驚き腰を抜かしてる奴に、

マンションから忍ばせこっそり持って来た

巨大なバールでその頭をかち割り、

何度も殴打し、

「ついにやった!

 ついにやったんだ!

 俺は俺を追い込んだ真犯人を討伐した!!

 ぎゃははははははははは!」

 血しぶきを浴びたままゲラゲラ笑ってる俺。

「ハァハァハァハァ」

 肩で息を切らしている俺。

そして即大勢過ぎる警官たちに取り押さえられ、

人への暴行で現行犯逮捕され、

あとから聞かされた話だと、

馬鹿は最初の一撃で死亡していたらしかった。


 その後、人の居ないマンションで

2ヶ月毎の殺人は当然行われず、

代わりに俺がやってのけてしまい

そして警察は俺の事を知人殴打殺人と、

マンションの凶状を紐づけ一緒くたに、

俺を全ての犯行の犯人とし公表し

落着させていた。

だが俺は、

一撃を喰らわせたあの瞬間から

弱っていた心は壊れ、

精神病棟に収監され、

元へ戻るには相当の年数がかかるだろうと

医師はカルテに書き留めていたが、

その時間はたっぷりあるだろうと警察と話し、

無期懲役を言い渡された俺だったが、

もはや何の事か分からなくなっていた。


 あの日の夜中12時頃だった。

ゴソゴソと這い回るかすかな音が

306号室、

最後の住人のバスルームの天井から聞こえ、

音は徐々に大きく鳴り、

換気扇のかたわらにある、

メンテンナンス用の小さな蓋を少しづつこじ開け、

その全貌をあらわにした。

それはムカデ。

音の主はムカデで、

その大きさは尋常ではないほどでかく、

3メートルはありそうな巨大で、

それが室内を静かにくまなく

壊れた防犯カメラの上も這い周り

獲物を探しているようだったが、

無人だと諦め

入って来た穴へ体を滑らせ

マンションの裏側へ戻って行き、

器用に蓋を戻すと、

その裏の世界には喰われた住人たちの

小さな肉片が残っていた。


 終

読んでくれてありがとう。

コメントなどよろしくね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ