春が来た
俺には親友がいる。幼なじみで気づけば仲良くなっていた。そんな俺たちはついに大学生になるのだ。素晴らしいことだかただの一つだけ懸念点がある。
「おはよー」
声のする方向に勢いよく目をやると右目に眼帯、左腕に包帯、紫髪で十字架のネックレスをした親友、ツキが立っていた。
懸念点は、親友が厨二病であることだ。
入学式が学部別で本当に良かった。大学に行った感想はそれだった。まぁそれはそれでソワソワしたので良くなかったとも取れるが。ちなみに俺とツキはシェアハウスをしている。家賃は安ければやすいほどいいという信念に従っているだけだが。
「ツキ、その服装どうにかしようぜ」
そう言って振り返ると厨二グッズを処分しているツキがいた。
!?
「ルト、俺にも春がきたわ」
ルトってのは俺のあだ名だ。経緯も説明したいがどうでもいい、
「お前、ついに厨二病卒業するのか」
これだけ続いた厨二病が一日でなくなったんだ、酷く笑われたんじゃないだろうか、可哀想に、、、
「失礼だね、そんなのじゃないよ」
俺はツキによく心を読まれる。顔に出ているらしい。
「どうしてかって?そりゃぁ、、」
溜めた後に言う
「今日、一目惚れしたんだよ」
春一番がこの部屋に吹き荒れた。