表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

8章: 八代山田(ハチロウ・ヤマダ)登場

八代山田の存在が倉庫の空気を凍りつかせた。

彼の姿は、まるで何者も恐れぬ王のように威圧的だった。


一瞬の静寂を破ったのは、濡れた床に響く革靴の音だった。


「俺の縄張りに踏み込み、部下を倒すとはな……。

大した度胸だ、認めてやるよ。」


その声には嘲笑と興味の両方が滲んでいた。


彼の隣から四人の武装した手下が現れ、俺たちに銃を向ける。


だが、ハチロウは軽く手を上げ、制止した。


「撃つな。こいつらがどこまでやれるか見てみよう。」


タケシが笑い、指先でナイフをくるくると回す。


「今すぐ見せてやるよ、クソ野郎。」


次の瞬間、タケシが疾風のように駆けた。


ナイフの刃が、ハチロウの首筋を狙う——


だが、ハチロウはわずかに頭を傾け、避けた。


時間がスローモーションのように感じられた。


タケシは即座に二撃目を繰り出す。

横薙ぎの鋭い斬撃——


だが、ハチロウはすでにそこにいなかった。


まるで**次の一手を読んでいたかのように、軽々とかわした。


「速い……」


タケシが驚愕の声を漏らした、その瞬間——


ハチロウの反撃は一瞬だった。


彼はタケシの腕を掴み、無慈悲にひねり上げる。


ドガァンッ!


タケシの体が宙を舞い、木箱の山に叩きつけられた。

箱が粉々に砕けるほどの衝撃。


「タケシ!」


ユミが叫び、すぐに動こうとする——


だが、その瞬間、ハチロウが彼女をじっと見つめた。


「やめろ。」


ただ、それだけ。


……そして、ユミの体が完全に静止した。


「なっ……!? なんだ、これは……!」


ケンジの目が見開かれる。


ハチロウが不敵な笑みを浮かべる。


「俺はただの犯罪者じゃねえ。

お前らにはない“力”を持っている。」


アイコが焦りながらタブレットを操作する。


「**特殊能力……**普通の人間じゃない……!」


俺は目を細め、冷静に言った。


「……それがどうした?」


ハチロウが低く笑う。


「いいねぇ……。

お前がリーダーか?」


「レンジだ。」


「ほう、レンジか。」


彼は指を鳴らす。


手下たちが、ゆっくりと俺たちを取り囲んだ。


「さあ、お前らの力を見せてみろ。」


本当の戦いが、今始まる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ