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第5章: 戦争への第一歩

夜の静寂は、不穏な気配に包まれていた。

隠れ家の中、唯一の光源は、冷たいモニターの光だけ。

アイコが第7区の電力システムに最後の調整を加えていた。


「完了。」


彼女はキーボードから手を離し、振り向いた。


「ちょうど23時間45分後に、倉庫の電力を5分間落とす。」


「つまり、計画を完璧に仕上げるまで、あと一日もないってことか。」


俺は腕を組みながら言った。


タケシがナイフをテーブルに投げ、苛立ちを隠さなかった。


「考えすぎじゃねぇか?さっさと突っ込んで、皆殺しにすりゃいい。」


「死にたいなら、そうすれば?」


ユミが呆れたように目を回した。


「でも、本当に意味のある一撃を与えたいなら、慎重に動くべきよ。」


俺はマップを広げ、巡回ルートを指差した。


「侵入経路は三つ。

西側の搬入口——貨物の積み降ろしが行われる場所。

裏口——警備が少ないが、電子ロックがかかっている。

下水道——倉庫の下を通る抜け道。」


ケンジが顎に手を当て、考え込む。


「下水道を使えば奇襲できる。でも、ハチロウがそのルートを強化してたら?」


「アイコが監視カメラをハッキングして確認できる。」


俺が答えると、アイコはすでに動いていた。

素早くタイピングを続け、数秒後にラップトップの画面をこちらに向けた。


「下水道の入口に警備が二人。それ以外は何もない。

どうやら、奴らはこのルートを甘く見てるみたいね。」


「最高だな。」


ユミが不敵に笑う。


「じゃあ、二手に分かれましょう。ケンジと私は下水道から侵入、見張りを無力化する。

あんたたち三人——タケシ、アイコ、そしてあんたは西側の搬入口から突入。」


「私は先に監視システムをダウンさせるわ。」


アイコが付け加える。


「その後、敵を一掃し、ハチロウを捕らえる。」


俺が締めくくった。


部屋に静寂が訪れた。

この一手が、戦争の始まりを告げる。


沈黙を破ったのは、タケシの不敵な笑みだった。


「クソどもに、地獄を見せてやろうぜ。」


こうして、計画は決まった。

明日の夜、戦争が始まる。

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