エネルギー供給
恐る恐ると、太郎は手を伸ばした。
そして太郎の手がアルカナ・ウェポンに触れると、太郎の頭の中にこの武器と“繋がった”感覚があった。
『エネルギー供給』と言いながらこれまで何にエネルギーを供給するのかも分からなかったギフトが、初めて反応したのだ。
その奇妙な感覚に、太郎は思わず手を引っ込めた。
「太郎さん? どうしましたか?」
「ギフト……使えそうです。反応しました」
まだ使ってはいない。
だが使えるという確信が太郎の中にはあった。
太郎の心臓が強く鼓動を刻んだ。
太郎は呼吸を整えると、もう一度アルカナ・ウェポンに触れる。
先ほど一度経験したのと、ちゃんと心の準備をしていたので、今度は耐えられた。触れたままでいる。
そして次に進むため、太郎はギフトを使う。
アルカナ・ウェポンにエネルギーを供給するのだ。
太郎の体の中から、何かが抜け出ていく。
その何かは、一般的には魔力と呼ばれるようになったものだ。
魔力とはなんなのか? 細かいことは分かっていないが、ギフトの使用で消費される力なので魔力と認識されている。元はゲーム用語だが、言葉の通りがいいので誰も違和感を感じていない。
太郎は魔力が抜けていく感覚にも耐え、ギフトを使い続ける。
そうして一分もせず、アルカナ・ウェポンのエネルギーは満タンになったと、そんな反応があった。
無駄にギフトを使わずにすんだ太郎は、先ほどとは違う理由で手を離した。ビックリしたからではなく、どこか満足げな顔をしている。
初めてギフトで何かをやりきった、その実感が、自分のギフトは外れじゃなかった、ひいては自分自身が認められたような気分になったからだ。
米倉はそんな太郎よりも、アルカナ・ウェポンの方に目が行っていた。
アルカナ・ウェポンを手に取ると、それにエネルギーが貯まっていて、使用可能になっていることを確認した。
彼女には分かる。
太郎のギフトは、自分達にとって福音となるものだと。
彼女が長年探し続けていたパートナーは、今、目の前にいた。




