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宇宙を駆け抜ける冒険者

「アルカナ、水卜太郎、いっきまーす!!」


 ダンジョンのファーストステージクリアから数日後。

 太郎はダンジョンのセカンドステージ、宇宙で、米倉の本体である宇宙用戦闘挺での戦いを繰り広げていた。


 宇宙船の名前については、特に決められていなかったため、太郎は最初に貸し出された装備、『アルカナ・ウェポン』から『アルカナ』と呼ぶようになっている。

 名前がないと、何かと不便なのだ。


 ファーストステージで鍛えられた太郎は、アルカナを駆使して順調に攻略を進めている。

 今度のダンジョンは、ダンジョンと言いつつも、宇宙である。宇宙で同じ様な戦闘挺と戦っている。

 太郎は異星人の謎技術によって、宇宙にワープしているのだ。聞けば、普通のダンジョンも、同じ技術で専用の世界にワープをさせていると言う。



 この話を聞いた太郎は、ワープできるなら帰ることも可能でないかと指摘したが、それは無理らしい。


「いいですか、太郎さん。惑星が太陽の周りを回っているように、太陽系も常に移動しているんです。そして、複数の星系を持つ銀河もまた、動いています。地上の移動と違い、座標の設定はとてもとてもシビアなんです。

 間違った所にワープした場合、いきなりブラックホールに飲み込まれたり、超新星爆発に巻き込まれたりするんです。

 そもそも、移動した先が記録にあるエリアか判断する手段もないんです。過去のデータは過去のデータでしかないんだから、役に立ちません。

 待つことで状況が改善する可能性が高い状態で、太郎さんはそんな一か八かに賭けて挑戦したいですか?」

「ごめんなさい」


 ランダムワープは、高いリスクに見合う挑戦ではないらしい。米倉は真剣な顔で太郎の無謀を諌めた。

 専門家に、簡単にできそうな気がしたからとやっていない理由も考えず、軽い気持ちで言った太郎が即座に頭を下げるほどの迫力で。





 それは別にして、太郎がダンジョンセカンドステージで成果を出すと、ダンジョンからの報酬として船体改造のポイントが貰えるようになった。

 アルカナを、自分好みに改造していいという。


「自由な改造とは言うがね、結局は軍の規格の中に収まるのだよ。改造項目はこちらが用意しているのだから当然だな。あとは、似たような者たちを使って、部隊を組めばいい。

 ま、ルールの中で個性を許すぐらいの自由はあるよ。ダンジョンの側で、それはある程度コントロールしているしね」


 ダンジョンの管理者は、太郎にそのように説明している。

 その為、太郎は気兼ねなくアルカナを改造していた。こういった改造は楽しく、色々と考えながら強くなるのも楽しい。太郎は嬉々としてセカンドステージに挑んでいた。

 いたのだが……。





「ふふふ。私の(宇宙船)、太郎さん好みにされてしまうんですね」


 と、米倉が怪しげなことを言っていたり。


「ちなみに、サードステージもあるぞ!

 次は艦隊戦、戦艦乗りのためのステージだ! 是非挑戦してくれたまえ!」

「太郎さん……。(個人戦闘挺)を捨てて、戦艦に乗り換えるんですか? あんなに私を好きに(改造)したのに……」


 と、米倉が面倒な絡み方をしたり。

 挙げ句の果てには。


「この度、太郎さんとは真剣なお付き合いを考えていまして――」

「まあまあまあまあ!! 瞳子ちゃん、うちの太郎を宜しくね!」


 両親を巻き込んで騒動が起きたりと。

 暴走気味の米倉により、太郎(パイロット)の周りは騒がしくなる。


 そのうち、太郎が高給取りになったという話を聞き付けた女がすり寄って米倉とバトルをしたりと、それはより大勢を巻き込む話にもなる。



 冒険者を目指した男は、一丁前になれば世間から騒がれるようになる。

 秘密を抱え、実力や成果を表沙汰にできない者は、その限りではない。


 しかし、それを知っている者からは認められ、周囲は徐々に騒がしくなっていくのだ。



 宇宙に出た男は、当初とは違う冒険を繰り広げ、迷いながらも先へと駆け抜けていくのであった。

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