お互いの思い
9話の最後、マイアとレアンドロが過ごす夜の話です
「──というわけなんだけど。ミレイアに言われた通り話したけどどうかな」
マイアからの手紙を握りしめてマイアの部屋を訪れたレアンドロはあたふたするマイアをベッドに座らせて自分も隣に腰掛けミレイアに言われた通りあの日話したことをそのままマイアに話した。マイアは途中驚いたり考え込んだりしながら聞いて少し間を置きレアンドロに問いかける。
「お父様が私をリュシアン様にと考えておられたなんて知りませんでした……あの、レアンドロ様はディアナ様のことをどう思っていらっしゃるのです?」
「ミレイアにも聞かれたけど親しくしてるって噂があったんだって?今話したように兄上と会話が成り立たないから間に立ってただけで特に何とも思ってなかったよ。義姉になる人だから仲良くしようと思ってはいたけど」
「そう……だったのですね」
「ミレイアに勘違いしてるって言われたけどマイアは兄上のことが好きだったんだよね?」
「え?リュシアン様のことは特に……」
「ええ?そうなの?え、好きじゃなかったの?」
「はい。私はずっと……あの、レアンドロ様をお慕いしておりました」
「え!?僕!?そうだったの!?」
「はい」
「でも妃殿下を嫌ってたのって兄上の婚約者だからじゃ」
「私ディアナ様のことは努力家で誰にでも優しくておおらかで素敵な方だと思っていました。ただレアンドロ様に想われていると思うと憎くなって自分でもどうしてかわからないくらいイライラして止まらなくなってしまって」
「そっか。僕兄上の婚約者に横恋慕してるように見えてた?」
「今落ち着いて考えると確かにリュシアン様を交えてお話ししていたような気もしますが当時はディアナ様とレアンドロ様がお二人で楽しそうにされてるように見えてしまいました」
「僕が妃殿下をって本当だったら謀反にもなりかねなかったね。王座を狙ってるって」
「ほ、本当ですね!!大変な勘違いをしてしまっていたようで申し訳ございません!!」
「いや、謝らないで。僕が何か勘違いさせるような言動をしていたのかもしれない」
「申し訳ございません……」
「ごめんね。これまで何も気付かなくて」
「いえ。とんでもないご迷惑をおかけしてなんとお詫びを申し上げたら良いか……」
「迷惑なんて思ってないよ。何も知らずにいて、父親のことも母親のこともマイアのことも大人になるまで知らなかった。何もできなくて本当にごめん」
「そんな……。シュゼットのこと、本当にありがとうございました」
「無事会えたんだね」
「はい。シュゼットは……使用人というより友達だと思っていた程大切な存在でした。シュゼットの母親のアレットも他にも使用人のみんな、私にとっては本当の親よりずっと家族のような存在でした」
「彼女たちにとってもそうだったそうだよ。僕は結婚してオルガン公爵家に婿養子に入ってからオースティン家に挨拶に行ったんだ。そしたら元使用人だった農民が声をかけてきてくれた。マイアを助けてあげてほしいって。マイアがどれだけ使用人たちを大切にしていたか教えてもらったよ。夫人がそんなに酷いことをしていたなんて。使用人を庇ってマイアも怪我をしてそれでも使用人の手当てを優先して自らやっていたっていうのも。父上や母上やフロランスに聞いて初めて僕は何も知ろうとしていなかったことを知ったよ。公爵がマイアを魔法局で魔物を捕らえるのと同じような部屋に無理矢理閉じ込めていたことも。辛かったよね。気付いてあげられなくてごめん」
「いいえ、いいえ。私がもっと上手くお母様を鎮められれば良かったのです。私が魔力を暴走させなければお父様も……」
「自分を責めるなら何も知らなかった僕も責めてくれないかな」
「できませんわ、そのようなこと」
「んーそっか……。そしたらマイアの話を聞かせてくれる?」
マイアはミレイアが会いに来てくれてレアンドロと話をしてくださいと言われたことを思い出す。ここ数日一緒に過ごしてくれる愛する娘の顔を思い浮かべて落ち着いて話し始める。
「子供の時私は母が恐ろしかったです。物心ついて初めての記憶は良くしてくれていた使用人が母に叩かれ家具に頭をぶつけて血を流す姿です。母は事あるごとに自分は敬われる人間だと言っていました。自分に見向きもしない男なんて生きている価値がないとも。父に手込めにされる使用人を物のように扱っていました。一方で私にこう言っていました。貴族の娘は道具だと。使うべき時に最大限使われて必要なくなれば捨てられる使い捨ての道具だと。恐らくですが母は愛されたかったのだと思います。道具としてでなく自分を大切に思ってくれる人を求めていたのではないかと。だからといって父に相手にされないから、自分を敬わないからと使用人に手をあげて良いはずがありません。私は憎しみに捕らわれて魔力を暴走していた時頭の中にはいつも母がいました。使用人たちに暴力を振るう母のようになりたくないと思っていたのに母と同じように人を傷付ける自分が恐ろしくて止めたいのに止められなくて……」
涙が溢れる目を擦るマイアの手をそっと握って優しく涙を拭うレアンドロ。
「続けて?」
「は、はい……魔力を制御できない私に父は手を上げて無効化魔法がかけられた部屋に閉じ込めました。強い魔法を感じて恐ろしかったです」
「無効化魔法は闇や光よりもさらに稀少でマイアのように強い感知魔法もそういないから知られていないけど無効化魔法は魔力が透明で強く無効化魔法をかけていれば強い感知魔法を持つ人からすれば得体のしれない強い魔力が見えないのに存在するって感じるそうだよ。マイアは優れた感知魔法の持ち主だからそう感じ取って恐怖を感じたんだろう。それにしても手を上げていたなんて。なんで父上は野放しにしていたんだ……」
レアンドロはマイアの手を握る手に力を入れる。
「あ、あの……」
「あ、ごめん、痛かったよね」
「だ、大丈夫ですわ」
涙が止まり、初めて握られた手を意識してマイアは緊張を感じていた。一方のレアンドロはもう既に亡くなっている者にどうすることもできなくて沸き上がる怒りを向ける場所がなかった。普段議会で苛立つ国王を宥めて冷静に対処しているレアンドロはそういう時のように怒りを内に秘めて鎮める。
「それで?」
「あの……父は何度も私に魔力量が多い女の赤ちゃんを生まなければいけないと言いました。王家と縁付くための女の子を生みなさいと。でも結婚するまで私は赤ちゃんよりレアンドロ様に振り向いてほしくて。ディアナ様がリュシアン様と結婚されてからレアンドロ様がディアナ様と一緒になることはないんだと思うとほっとした気持ちとレアンドロ様はずっとディアナ様への気持ちを秘めながら臣下に下るんだと思うとモヤモヤとした気持ちがない交ぜになりました。そして私もレアンドロ様と結婚して、そして妊娠しました。父は私に言いました。この子は王家と縁付くための尊い存在だと。父が亡くなり母のことも父のこともどうでもよくなるくらい私にとって赤ちゃんの存在が何より大切になりました。その頃の一時母も父も忘れていたほどでした。妊娠で不安定になって感知魔法が使えなくても自分の中で動く赤ちゃんが愛しくてたまりませんでした。でも生まれてあの子の膨大な魔力を感じてこの子はすぐに王家に取られてしまうと恐ろしくなりました。そう思うとまた魔力が制御できなくなりました。レアンドロ様にミレイアから離されて父と母の言葉が蘇りました。王家に嫁ぐ尊い女の子を生みなさい。貴族の娘は使うべき時に最大限使われて必要なくなれば捨てられる使い捨ての道具だ。……王家にとって大切な子を私という脅威から守るためだと思っても悲しくて辛かった。あの子にもレアンドロ様にももう必要ないないのだと思うと余計に魔力が暴走してしまいました」
「違う。僕は……ごめん。僕はただ、人を傷付けたくないマイアがミレイアを傷付けることになったら悲しむと思って。一度離れて落ち着いたら魔力も制御できるようになるかと思ったんだ。マイア、確かに貴族には政略がつきものだし王族の結婚も誰とでも良いというわけじゃない。ミレイアは王家に嫁ぐことになる。だけど僕はミレイアもマイアも道具だなんて思ってないよ。王家の事情を無視して他の国から誰かを娶っても良いと思ってる。その王家の事情っていうのは本来王になる者にだけ伝えられてきたものなんだけど今回兄上は妃殿下にも結婚前に伝えた。それは魔力に差がある人が王の子を生もうとすると身体が耐えきれなくなるということなんだ。普通の王族なら気にしなくてよかった。だけど兄上やテオドール殿下のように魔力が強すぎるとその魔力にできるだけ近い人が王妃になる必要があるんだ。それも今となっては正しいのかもわからない。これまで争いの中で妃も命を狙われたり若くして亡くなってきてる人も多いから。だけど兄上と殿下は確実に誰でも良いわけじゃない。事実妃殿下は危険な状態になったから」
途中で顔色が悪くなっていたマイアは息を飲む。
「ディアナ様が……?」
「一時危険な状態になったけど出産から3日後に目を覚ましたよ」
マイアはそれを聞いて再び涙が止まらなくなった。
「お命が助かって良かったです」
「でも2人目の子供は望めない身体になって公務も長時間は耐えられないんだ」
「ディアナ様……そんなことになっていたなんて……」
「まあでも元気は元気なんだよ。この前も視察に行って15分で帰りますよって言ってるのにゆっくり話してるから時間がかかるんだって30分以上領民の話を聞いてたし」
王妃はのんびりした性格だが国民に寄り添うためにたくさん話を聞いたのだ。学生時代までの王妃しか知らないマイアでもそういう姿が想像できた。
「ディアナ様はそのことをいつお知りに?」
「学園に入る前だよ。僕たちいつも4人で会うようにって前公爵に煩く言われてたから内密に2人で話した。本当はこの話は兄上でさえ成人になってから知る予定で僕は知らせるか決めかねてたことだったらしいんだけど僕と兄上がある物を偶然見つけてそのことを知ってしまったんだ。王にしか伝えない理由も。だから出来る限り秘密にするべきだったけど兄上は何も知らずに王家に嫁いで妊娠して死ぬなんて酷だって妃殿下に伝えたんだよ。伝えたところで避けられないんだけどね。妃殿下にしかできなくて次に可能性があったのはマイアだった。マイアがあの状態だったから実質本当に妃殿下にしか王妃を任せる人がいなかったんだ」
マイアは両手で顔を覆った。
「14才で死ぬと言われたようなものだったのですね」
「残酷なことを言うとは思ったけど。何も知らせないよりはと思ったんだよ」
「私が魔力を暴走させてる間にディアナ様はお辛い思いをずっと抱えておられたのですね」
「怖いとも王妃になりたくないとも口にしたこともなかったけど不安だったと思う」
「私がまともであれば代わりになることもそうでなくても支えることができたかもしれないのに……」
「これからなれるよきっと。妃殿下はマイアと仲良くなりたがってたから」
「そんな……私は酷いことをしてきましたのに」
「大丈夫だよ。妃殿下の独特な間とペースに昔の兄上みたいに苛つかなければ」
「そういう意味ではないのですけれど……。私はこのお話を聞いてもよろしかったのでしょうか」
「当時マイアに話しても話さなくてもどちらでも良かったんだ。僕は並の王族の魔力しか持ってなくてマイアは妃殿下の次に多い魔力を持っていたから問題ないだろうって思われてた。危険があるなら話そうと思ったけど話せる状態じゃなかったから話さなかった。でも出産後妃殿下の身体を調べて王族じゃなくても出産時に亡くなる女性が多いことに魔力が関係してるんじゃないかって話になったんだ。それを考えるとマイアは偶然大丈夫だっただけなんだってことになるんだよ」
「そうだったのですね……」
「妊娠中は魔力が不安定になるんだけどマイアは逆に比較的安定してた。暴走もしてたからひやひやしたんだけど。ミレイアを守ろうと気持ちが落ち着いてたのが良かったのかもしれないね。それでミレイアのことだけど、妃殿下や兄上と僕を生んだ母上や妊娠時の女性の身体について調べてわかったことを元に対処法を考えたんだ。実証はしてるけど王族で試したことがないから王族に効果があるのかわからない。僕の子だから限りなく殿下との魔力の差が少ないミレイア以外では最悪命を落とすかもしれないんだ」
「そんな事情があったなんて……レアンドロ様の子であるミレイアならディアナ様のようにならないのでしょうか」
「確実にとは言えないから検証した対処法を使うだろうけど。だけど僕はミレイアのためなら他の人を殿下と結婚させても良いと思ってる」
「それではその子の命が……」
「試したことはないとはいっても対処法はあるんだ。ミレイアが絶対殿下と結婚したくないって言えば結婚させないよ。対処には回復魔法を使うんだ。僕が責任を持って回復魔法をかけるよ」
「でも王家としてはいけないですわよね?」
「兄上には怒られるだろうね。でも僕もミレイアが大好きなんだ。マイアがミレイアのことが大好きで王家に取られたくないなら兄上に反発してでもミレイアを守ってみせるよ」
「レアンドロ様……。ミレイアは王家に嫁いでも私の子だと言ってくれました。王家に取られると思って悲しかったですがそのような事情を聞いては……。ミレイアが命を落とすことがないようにできる限りの配慮をしてもらってミレイアが幸せになれるのならディアナ様のように素敵な王妃様になってほしいと思います」
「え」
「レアンドロ様?」
レアンドロとしてはミレイアが可愛くてテオドールに渡したくなかったためマイアと結託してミレイアを守ろうという話になるかと思っていたため戸惑う。
「でもミレイアはとっても可愛いからこの家でずっと暮らせば良いと思うんだよね」
「え?結婚しないのですか?」
「そうだよ。殿下にも他の男にもあげないよ」
女性は結婚するのが当たり前とされているこの国で生まれ育ったマイアはそれはどうなんだろうかと悩む。ミレイアが嫁いでも自分の子だと言ってくれたことやこんな大きな事情を知ったことで王家に取られるのは嫌だと思う気持ちはなくなっていた。
それにディアナがいる王家がミレイアを不幸にするとは思えない。レアンドロも道具だなんて思ってないと言う。ミレイアやシュゼットのおかげで平静を取り戻したマイアは王家に嫁ぐことがミレイアの幸せだと思えた。
「レアンドロ様、殿下はどんなお方なのですか?」
「テオは軟弱でふにゃふにゃで頼りないから駄目だよ」
「そうなのですか」
「あんな男にうちの可愛いミレイアは渡せないよ。だってミレイアは天使みたいに可愛いんだ。頭を撫でたらムズムズするって言い出してね」
「はい?」
「そわそわかもしれないって言ってね、そのあととびきり可愛くはにかんで嬉しいですって言ってくれたんだ。とってもとっても可愛くてぎゅってしちゃったよ」
「まあ……ミレイアはとっても可愛いですものね」
「そうだよ。テオなんて泣き虫だしネガティブでうじうじするしそのくせミレイアを守るために強い男にならないとなんて一丁前なこと言ってテオなんて一生うじうじのくせに」
「あらあら……殿下はミレイアのことを守ると言ってくださっているのですね」
ミレイアの婚約者はミレイアのことを思ってくれる優しい人だと知ってマイアの不安は無くなった。
「守れるはずないよ。臣下になる友達たちに振り回されてあたふたしてるようなやつだよ。臣下に泣かされる王なんて駄目駄目でしょ」
「レアンドロ様は殿下を王に相応しくないと思われているのですか?」
「魔力は兄上より上みたいだしそうじゃなくてもあれはあれで良い王になると思うよ。普段わちゃわちゃふざけあってるのに自然と周りがテオを助けようとする。気を使うなんてできない大人の言うことなんてほとんど聞かない個性が強すぎるバラバラな3人がテオのために動くんだ。テオじゃなきゃああはならないよ」
「殿下は素敵なお方なのですね」
「でもミレイアは渡さないよ」
「私は殿下ならミレイアを幸せにしてくださると思いますわ」
「この家にいればずっと僕がミレイアを幸せにするから大丈夫だよ」
「まあ……。ミレイアはレアンドロ様にも殿下にも守っていただけて幸せ者ですわね」
「マイアも僕が幸せにするよ。これまでの分も。僕はね、きっとずっとマイアが好きだったんだと思うんだ」
「……え?」
「兄上のことを好きで魔法を暴走させてると思ってたんだ。兄上のことを思って悲しんでると思って胸が締め付けられた。僕は兄上と違って優しいって言われるけど違う。兄上が短気で僕より先にキレちゃうから僕が穏やかに見えるだけで実際は兄上より冷酷なくらいだと思ってる。マイアのことじゃなければシュゼット親子を探したりもしなかったと思う。マイアのことを知ってこんなに心がかきみだされるのはマイアのことが好きだったからだと思うんだ」
レアンドロはただの物腰が柔らかい優しい男ではない。歴史上類を見ない仲の良い兄弟リュシアンとレアンドロだったがそれを面白く思わない者たちも多くいた。彼らは先代国王の平和を望むやり方に納得できなかった。そこでレアンドロをけしかけてリュシアンと対立させようと企むものが出た。
レアンドロは彼らの話をふむふむと聞きそれをリュシアンに横流ししていた。こんなことを企んでるそうなんだけどどうやって処分しようかと。そして議会でその者を晒し者にして次自分を兄と対立させようと無駄なことを考えたら一族路頭に迷う覚悟を持てと臣下に伝えた。レアンドロ13才の時の事だった。
リュシアンとレアンドロはテオドールのように側近候補という友人枠は持たなかった。これまでは王子たちがそうした彼らを使い他の王子を蹴落としたりして争ってきたがそんなことをする必要はないと。といってもリュシアンには顎で使う雑務係がいたが。レアンドロにはいろいろな情報を掴むための臣下が身近にいただけだった。
臣下の中にはリュシアン以上にレアンドロを恐ろしく思うものが多い。普段は優しく穏やかでリュシアンの間に入ってまあまあと取り成してくれるし悩む案件には相談に乗ってくれるが王家を揺るがそうとする者には容赦ない。だからこそ恐れと尊敬の両方を抱かせる。それがレアンドロだった。
そんなレアンドロは初めてマイアへの恋心に気付き押せ押せになっていた。マイアは戸惑いながらも嬉しかった。嬉しかったためレアンドロの積極的なキスを受け入れた。
「あ、あの、レアンドロ様」
「レアンって呼んでほしいな」
「あ、はい、レアン様」
「なに?」
「私ドキドキして心臓が持ちませんわ」
「可愛いね」
「えっと、えっと、お話!!そう、お話をしませんか?」
「話?良いよ」
「ではミレイアに着せるお洋服の話はどうでしょう。ミレイアは仕立て屋が来ると言っていましたがもっとミレイアの可愛さが引き立つように仕立てられるはずですわ」
「うん、そうだね。すぐ仕立て屋を呼んでミレイアに合う服を仕立てるべきだ」
「ですわよね。ミレイアにはこんなお洋服が似合うと思いますのよ」
そんなこんなでレアンドロとマイアの仲は深まりミレイアの話をしている間に夜が更けていったのだった。