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Be : Box  作者: 大仏の翁
1/2

#1 Bex

文章力の無い文ですが勘弁してください………


日常の何気ないまぐれは続きすぎると不安になる。今日という日もそれは例外ではない。

ワイシャツの第三ボタンを閉じるときにくしゃみをした時、(まさか……)等と考えてしまえばそれは的中する。

新聞の1面、

―Beにより通行人3名が犠牲に、遺族は涙の訴え―











通勤に利用する電車の至るところにニュースは流れており、不安そうに話をする高校生やまったく触れていないサラリーマンもいる。

(所詮、他人事か……)


自動ドアが開き、社員証を提示する。そのまま受付の人に挨拶をしてエレベーターに乗る。


「おはようございます」

「はい、おはよう」


扉の奥に備え付けてある鏡にもたれかかり、彼はこちらを1度も見ること無くセブンイレブンのコーヒーを啜る。

地下駐車場に車を停める社員はほとんど全員が上司であり、この人も俺の()直属の上司でもある。


「新聞は見たかい?」

「ええ、ここ2ヶ月で最多の犠牲者ですね」

「まったく……あれほど街の条例で夜10時以降の外出は控えるようにと言われているのに……」

「仕方ないですよ。それに、血食人をどうにかするのが俺達の仕事です」

コーヒーを啜る口が紙コップから離れ、鼻でフンッと笑う。

「言うね、ルーキー(・・・・)

皮肉混じりで吐き捨て、職場の12階に到着する。




――――――――




「……………そして昨夜の事件だが、やはりBeの痕跡が見つかっている。各班はいつも通り慎重に対処してくれ、以上解散」


局長のまったくもってタメにならない長い話から解放され、体の力が一気に抜ける。

ミーティングルームの重たい扉を開け、それぞれの班長が部下の元へと向かうのを見届けた後、1度給湯室でコーヒーを調達してから部下が待つ個室へと歩みを進める。


「皆、おはよう」

「あ、おはようございます!リーダー!!」

「うん、おはよう、リーダー」

「おはようございます」

「ミーティングを始めるよ」


ここから俺の1日が始まる。




局長の(無駄な)ミーティングで配られた書類を配り、パソコンを開く。

「今日の新聞の一面は見た?」

「見ました。ここ最近で1番歯ごたえのありそうな獲物だと思ったのは内緒ですが」

「あれはうちの(この班の)担当になったのか?リーダー」

「いや、大倉班を中心に討伐隊が編成されるそうだよ」

「それはつまらないですね」

「ですね」

「………話を進めて良いかな?」


嘉永6年(1853)に起きた日本の未来を変えた一代事件、『黒船来航』。その時を境に日本には奇妙な事件が多発した。

浦賀(現神奈川県横須賀市浦賀)を中心に惨殺された死体が何度も発見されるようになった。


「殺し方、現場の隠蔽の状態からあまり慣れていない、最近侵食されたBeと断定されており、目撃者の証言では年齢は20歳前半から後半の男性………」


幕府は迅速に対応し、容疑者の逮捕に成功。この事実を日本中に公開した。

「眼が琥珀色に染まり、翼の生えた奇っ怪な男が獲物を見るような眼でこちらを睨み付けていた」と。


「リーダー、質問です」

「何?」

「何故その目撃者は襲われなかったのですか?」

「定年退職した元Bexのメンバーの方だったそうだよ」

「………なるほどです」


そして時は進み、1964年の東京オリンピック。

完全に忘れ去られた奴ら(・・)は再び事件を招いた。

267名死亡、589名負傷という最悪の"狩猟会"を開催したのだ。

そしてその事件から3日後、日本政府はアメリカで

"Blood eater"

と呼ばれる彼等を

"Be(ビィー)"

と名付け、対策機関を設立することに。


「と、まぁ僕らの仕事は大倉班が対象を逃がした時の後始末だけだからあんまり期待しないでね」

「「了解です」」

「じゃあいつ無線が入っても大丈夫なように待機ね?」


そして1966年、自衛隊を中心に構成された対策機関は

"Beの箱"、『Be Box』を省略し、

対戦闘機関"Bex"と呼ばれるようになった。



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