0008
四つの場面?
<ノータイトル>
書き留めること。心に留めておくこと。自由に連想すること。
複製された冷蔵庫の中で、牛肉と白身魚が腐りかけている。
井戸から水を汲んだはいいが、持ち運んでいる途中で、
盛大に零れた。
地面は水を吸い、湿り気を帯びた。
覆水はかえる必要もなく、ただただ下へ下へと遡っていく。
夕立ちがあって、夜が幕を下ろし、星々がきらり。
明日は晴れるだろうか。
てるてる坊主は作らないけれど、願うことだけしておく。
夢で逢えたらあいましょう。これよりも長い時間話すことができるといいね。
女郎花、山茶花、彼岸花。
枯れていく色彩。
彼等で積んだ石の山。いつのまにか崩れていた。
足で割った水面に、誰かの手が伸びる。
ここはやさしいところ。
目が、くらりくらりと動くので、
つられて口も、しまりが悪くなったようである。
おそらく雲のせい。
居場所が分からないから、交番に届け出を出す。
あの、耳が大きく、足の小さな巨人を見ませんでしたか?
大切なものなんです。
必死に告げる少女に、警官は言う。
あの山の向こう側に行ってしまったよ。
少女は諦めるしかなかった。山の向こうなら仕方がない。
帰り道、夕日が影を長くしていた。
オレンジが眩しい。
一度紙に書きつけるのだけど、綺麗に書こうと思っていないから、たまに読めなくなる。