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頬骨の会談、夜の間に囁くさざ波。
彼の岸超えて、夢の階崩れ、氷の葉佩、触れることなく鎖落ち。
冬の願い、夏の灯、群れる魚の屍。
伸び征く糸杉にまざまざと音無。
不明の道中、還らざる鍬の鋤返し。
途絶えがちの連呼、吹き上げる息のわずかな切れ込み。
輪郭を静かになぞり、歩く言の葉、寂しさを知らずに。
広がる手の眩しさに転がり、払いのける力さえ否定する。
どこまでも、どこまでも、果てのない渇き。
一滴の雫を零れ落とし、つかの間に小指失う。
覚書に目を細め、葦の長さに恐怖し、繰り返す音階に安堵する。
漏れ出る息の汚さ、凹んだゴムの撓み、歪み、遍く解き。
油を残し、首を揺らす人形の右手をつかみ、溺れる錯覚。
水面から突き出た唇の赤、紫の補助、希望を失い、彷徨う氷空。
星の嘆き聞こえず、蠢く地の傲慢。
さっきまでの揺り籠は幻想で、翅の後悔ばかりが室内に響いた。
蓄音機はいつまでも、最初の願いを聞き届ける。
曰く、内包する天体。どこにも開かない天上。
報復は意味をなさず、回転する日時計。
玉座など飾りで、原始的な炎が絶えず燃え盛っている。




