0066
<ノータイトル>
鳥の歌死んで
口を縫い付け
今日の日にサヨナラ
海の波間に消えていく
泡の問いに耳を貸さず
終始口をつぐみ
実のなる木を切り倒し
だんだん だんだん
きりきり舞い
胸のほとぼりが冷めるまで
無数に散らばる砂金の轟音
紫の向こうに沈む太陽に
側溝の落ちていく無常
かち割った常識の羽音
ヒグラシの消えゆく音色に沈み込む
おちていくきえていくとけていく
昔のことは覚えていない
みんなみんな置き去りにしてきた
大切にできないことは
忘れっぽいのです
組んだ足を結ばれ
二度と歩けないほどけない
青い髪のなびく夕方
風が強くてうれしかった
喜びは失われ
鬱屈が支配する球体
緩急の付け方を習い
字を書く際に間延びする休日
物煩い 恋乞い
眼鏡を割り握りつぶし
割ることはできない俎板の鯉
あがっていく火の玉
最後にドカンと派手に散る
物憂げな横顔に見惚れ
ここにいることが嘘だと気づいた
昨日との境が消え
赤色の咲く花
奇跡を信じずに生きる
音の連なりを信じ
自身の存在を疑い
鼓動が存在することを裏切り
出会うはずのない影に遭う筈
恥を忍んで頼んだのは
壊れた右手の後悔
無人の島で三人目に出会う
申し訳ないというものはなく
結んで開いて悪鬼羅刹 不合理な罪
袋に詰めて投げうる憂鬱
ライターの火を翳し
燃えていく今日
停止する完全終止形
体言止めは固有スキルゆえに
君には使えないのだよ
泥の顔で沈んでいく刃
くすんだ赤 彷徨う黄色
無謀な黒 そこのけそこのけあじゃどうま
満天の星空 夏祭りの金魚についていく
そのまま戻れなかったとさ




