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Automatic writing  作者: 半信半疑
64/73

0064

<ノータイトル>


 おちてきた果実に名前はない

 消えていく雪に焦燥はない

 振り返り

 溶けていく西日の淡い光


 口づけをしたのはいつかの過ち

 過ぎ去っていく後ろ姿に何かを重ねた

 急に振り出す雨に悪態をつく

 不機嫌なままで

 情報不足が否めず

 鞭のしなる音に身を竦め

 足の震えを隠そうともせず

 生娘のように叫び声をあげた


 交わる黒に不快感などなく

 鼓動する脈に苛立ちが増える


 数えつつひいていく潮騒

 海の底に眠りたい

 弦の鳴く夜に一人

 無実などなんの証明にもならず

 悶えた道化の左手は死ぬ

 もらった言葉の意味を測りかね

 語源をすべて燃やしたくなる

 意味なんかないのだと大声で叫びまわりたい

 寝過ごした夜明けに耳たぶをぶつける


 瓶の中に詰めたのは悪鬼羅刹

 誰もかれもが浮世語り

 ここにいないものについて知るものはおらず

 彼方に咲く青い懺悔に身をゆだねる


 獣と人の境に立ち

 尻のあたりを一撫で

 詳らかな草木

 無重力の虜

 乾いたはずの舌の根奪い

 枯れた泉で最後の晩餐


 繰り返したのは昨日

 届かないのは水面の幸福

 親指は死に絶え

 神秘に額をこすりつけるものは消えた

 誰もかれも ここにいた事実を消したがる


 夕暮れだけを友とし

 獣だけを仲間にして

 言の葉を敵に認定

 間違いを探すうち

 目に見えない正解を貶す


 貶めたのは最低限の理解

 打ち出したのは琥珀色のドブ

 力なく横たわる怒り

 斑な虹がかかる空に嘆く


 きっと明日は空色の青

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