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Automatic writing  作者: 半信半疑
6/73

0006

<ノータイトル>


 工場長の言うことには、

 今すぐにでも雷管を下ろさなければならないとのこと。

 しかし、その肝心のものが見つからずに困っていた。

 電気がうねる中で作業をするのは簡単なことではない。

 幼い老人が言った。

 それに触発されて、周りにいた者たちが口々に話し出す。

 やれ材料が足りないだ、やれ賃金が低すぎるだ、

 日頃からため込んできた不満さえも言っているので、

 工場長はほとほと参ってしまった。


 ルビーの紅い輝きが目を貫き、

 舵は一気に取られることで、

 皆その結末を待っている。

 足が石になろうが関係ない。

 結果が欲しいのである。


 夜行鳥は静かに鳴いた。

 枯れ細った木々の枝にとまり、西を向いて。

 明日の光はまだ昇っていない。

 夕暮れはとうに過ぎていたが、なおも母鳥は帰ってきていなかった。


 切り落とされた耳は、やがて口になり目になった。

 黄色の音を聞いて、

 紫色の言葉を紡ぎ、

 赤色の景色を見た。

 そして、その後に、

 真珠は砕け散る。

 隙間に埋められ、

 破片が全ての行方を阻んだ。


 枯れた薔薇に水をやった後、

 ミミズクがそれを毟り取っていった。

 見送りは要らない、とばかりに

 猛然と飛び去っていったので、止めることもできなかった。

 妖精は木の葉をすりつぶして、水の中に隠れた。

 大きな水晶だけが

 底に沈んだ。


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