0059
<ノータイトル>
朝から降る雨とタップダンスを踊れず、
嘆く朝日に投げキッス。
擦れた布切れ投げ捨てて光を握る。
紫がかった雲の切れ間を仰ぎ見て、
終始妄想を垂れ流す。
チョコの溶けだした理由を探し、
狂いだしたギアを微修正。
どうしようもないことだけ理解し、
普段見慣れない右手の不平を慰める。
地面の凸凹に気を取られ、すれ違いざまに罵倒。
蓮の葉の広がりに慈悲を、
狂騒の懺悔に安らぎを。
口から出まかせ、恩着せがませ。
謝罪のスコール、はみ出したシャツの裾。
星の無い日に夢を見る。
小さいの頃に見た優しさは溺れ、
観念的な暴力に屈した。
失った血の色、食えないコロッケの素朴。
割れた皿の破片で傷を負い、
それでも絆創膏は切れている。
しょうもない戯言戯言繰り返し、
巻取りは壊れかけ、無言の抗議。
証明機はお冠、開かれた右目に星屑。
訣別の朝、雪はすべて溶けていた。
案ずる者もいず、苦しむ者もいないまま、
どっちつかずの朝を繰り返す。
このままここで朽ちる妄想、
最初から誰もいない。
菓子パンの食感だけが残っていて、
エネドリの刺激が弾け。
興味のない赤色に耳を濁す。
正直者は馬鹿を見る と、
愚か者は地面を舐める と、
塞ぎこんで口裏合わせ。
貝殻を無理にこじ開けて、
挟み込んだ左手の中指に赤化粧。
暴走するサイレンの悲しみは
辛うじて理解できた。
さよならする相手もいない。
私ばかりが偏在する。
中庸と凡庸と異常の狭間に置いてきぼりのアリス、
予定もなくふらつく午後、
落下する夕方に憂鬱を映した。
どこかに抱き着いていないと、
あっという間に落ちていくはず。
消えかけの足を見て、幽霊みたいねと囁く。
声は溶けて消えていく。
橙の抱擁はゆっくりと締め上げていった愛着。
潜り込んだ布団に熱はなく、
そっと体を抱いた。
さよならを教えて。
バーバパパさんの『無責任感』を聴きながら。




