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「不幸比べ」
唐突にやって来る寒気に抗う術は一つだけ。
蹴落とし屈服させること。
昨日見た夢今日の過去、
再現する肉塊、塊に魂は必要不可欠。
存在血の減少、
呼吸が痛む、
霧のない朝に火をおこす。
されば、赤神の右手が撓む。
救いようのない話に救いを求めるのは、
今が現在であるからだ。
誠実であることにつかれ、妄想に憑りつかれ、
苦肉の策で右手を落とす。
代償は必要最小限に抑えるのがコツ。
骨まで染み入る夏の日暮れ。
遠くで花火の音が聞こえる。
真っ赤に燃えた太陽だけがそれを視れない。
不機嫌に黙りこくったままで、机の上のコーヒーが静かに湯気を立てる。
何処にもいない彼にさよならを告げ、
明日を見失った彼女に右目をあげる。
このままで永遠を求め、
先に着いた幻想に地獄を案内してもらう。
有給は捨て去りましたわ、全部妄想なのですわ
そうなのですね。みんな血が赤いのです。
お揃いに不揃いな果実、林檎の独り言。
虚言癖が一人歩きしているので捕まえてください。
褒賞は望むまま。
もう一度塩をすり込んで、ここにはいないのだと教えておくれ。
memo
チェンソーマン2~6巻読了後。




