0048
<ノータイトル>
黒が泣く夜に、雪の輪が消える。
口を覆った霜の嘆きは如何ほどか。
先に潜む化け物の悲しみに気づいた者はいない。
いや、気付こうとさえ思わなかったのかもしれない。
四季に見放された黄色は言う。
「鼓動の赤は壊れたよ」
何処から発生するのか全くの不明で、
胡瓜の緑に目を焼かれた。
失われた叡智は永遠に戻らない。
繰り返す営みの中に、
時織り交ざる苛立ちの囀りは、
どうしようもない悪童の戯言。
その指先に力はなく、
その言霊に真実は無く、
触れるものの虚実を照らし出す鏡の花咲きに、
帰ってこない木霊を待ちわびる憂鬱。
秋と冬との境で彷徨う霧、
迷いだす蝸牛の背中にのそり、
終始暇を請う家政婦の見た、
無人駅のポッポや。
万物に宿る記憶を手繰り寄せ、
かつての神を見出す。
巫女は軒先に吊るしておいた。
目印は一気呵成に赤色。
彼岸の花を手折る幼子。
右手にもつ悪意は全てまやかし。
耳を塞いで聞きたくない音を閉ざす。
瞼を閉じて見たくもない色を閉ざす。
笛の音に気づくものは皆、左手に揃いの赤魔導。
すれ違いの先に生まれるのは破滅の一言だったか。
持て余した暴力は結局、黒い渦に引き寄せられるのだと、
犯した罪を嘆く賢者に教えられた。
学び舎に紛れ込んだ悪意に敏感な、
鈍感な教師は言う。
「正しく生きなさい」
それが本当だと刷り込まれて、
行き場を失くした光は地面に染みを残した。
黒いままでカラスが飛び立ち、
白を汚した鳩は平和を望んだ。
どこまで行っても金木犀は見当たらず、
十分な睡眠をとったはずだと紅に宣誓。
不審な寝ずの番に敬礼を求め、
愚かしさに塗された毒物に腐れた。
輝きを失った太陽に翳りを生み、
無雑作に放った荷物を明け渡してほしい。
増えていく顔に無言を返し、
仕方がないと闇夜に呟く。
当てなどなく、ただ立ち眩みを起こすのみ。
手に負えない矛盾を突く。
口に縫い合わせた嘘はやがて、真実へと姿を変えた。
どこまでも紫、雁字に絡まれ、路地裏に交差点。
無視できない渦巻に投げかけた背負い投げを返す。
そこには触れないでほしい。
狼は毛づくろいを一人で行う。
不思議と、月はクスンダママデ良いと言った。
ヤドリギは全て放逐した。
迎えは来ない。
漆黒のシャルノスOP『DORCHADAS』を聴きながら、そのまま打ち込み。




