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Automatic writing  作者: 半信半疑
44/73

0044

<ノータイトル>


 憂いの青に溺れつつ、

 対岸の火に雨を見る。

 呼吸の荒さはいつだってハンニバルのせい。

 ミミズクの羽が舞う森の中、

 最近の趣味は足跡をたどること。

 口の裏に縫い付けられたドレミの音符は、

 時折優しいキスをする。

 不自由さを感じる鎖は常に冷たくて、

 あの日の巨木越しに見た太陽の光が見たい。

 無自覚なままでトンカチを振るい続ける。

 もしもの話は止めてくれよ。いつまでも抜け出せなくなる。

 途方もない金星の輪っかの中で球体は嘘をつき続けるだろう。

 それがいかに無駄な行為かを知る賢者はいない。

 愚者ばかりが墨を吐いているせいで、

 光が拒まれているんだ。

 西遊記の原書を燃やし尽くして、

 水の上がる丘で宙ぶらりんになって、

 鼓動はいつの間にか鉄に阻まれて、

 不審なマスクが踊りを踊り、

 根っからの慟哭の闇病み。

 藁の束を握りしめ、

 それが無数の棘だと思い込み、

 風鈴の音が聞こえる。

 区別がつかないまま、人の底に落ちてゆく。

 谷は空を知らない。

 君も地中を知らない。

 蠢く害の紫の毒毒しささえ知らない。

 純粋栽培の真面目君は不知火の元に向かう。

 まりもが跳ねている。

 兎は死んでいる。

 呼吸を止めて一秒の間に篩にかけられてしまった。

 煮立った鍋の底にいるのは哀れな人形。

 ホムンクルスは失った。命を失った。

 持っていないのではなく、失ったのだった。

 明かりが明滅しているのを眺め、

 反射する銀の川が泣いているのだと思った。

 おかしくって泣いた。

 霧の中で、彷徨い、

 震える咽喉が紡いだ言葉。

 真理は行方不明。

 捜索届は誰も出していない。

 虚構のままだと無数にあるのだけれど。

 屋根を超えて山を越えて、

 飛び続ける羽が欲しいと、

 蒼い羽に願った。


ウォルピスカーターさんの『泥中に咲く』を聴きながら、直接打ち込み。

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