0034
紙に書かずに、パソコンのキーボードでそのまま打ち込んだ。
<ノータイトル>
黒い太陽はあざ笑う。
大地に根を下ろした竜のその賢しらな知恵を。
何処にも行けないというのはとても不自由で、
足の切り取られた大地は、抑揚をつけている。
肝心かなめの要石。
汚れ仕事は理想の彼方。
愛を知らないまま、カブトムシは鎧を身につけ、
遠すぎる空に舞い上がった。
大空は青さを落っことし、
上空で日輪が翳る。
興味のない視線で、眼鏡は壊れる。
温もりは冷気に晒され、貧窮に喘いでいる。
明日が憎い。血の滲む青さが憎い。
希望の吐き出した痰が絶望である。
余所者はどこまでも卑屈になるしかない。
顔面の崩れた宝城は言う。
今日が昨日なら良かった、と。
情報の波は絶えず、今日は一秒で更新される始末。
どうにか生き延びる術を。
明日の日の目を迎える知恵を。
びい玉の輝きは虚ろを反射し、賞状は破り捨てられた。
金具の留め具はいつも紛失中で、
農作業のかたわら、愛さえ死んだ。
垣根を越えた友情などくそくらえだ。
いつまでも妄執に憑りつかれた、哀れな子羊。
森の小道に落としていたビスケットは全て食べられている。
もはや進退窮まった。
ここが死地だ。全ての終わりだ。
善も悪も彼岸の焔で燃え盛る。
赤と青の螺旋は象徴的で、まっすぐ上に伸びている。
貝殻の記憶は波打ち際で繰り返される。
幾度となく繰り返される。
世界が悲しみを終わらせるまで。
世界が狂乱を終わらせるその日まで。
どこかで彼岸花が咲く。
赤き命は消えゆく。




