0033
<ノータイトル>
カーテンが揺れ、暗殺者の世界が来る。
夢は朱色の瞳を壊し、口々に囁く。
「用事を思い出した。」
誰もいない白は黒の隣で煙を吐く。
葉巻は丸くなって隅をつついている。
それがなぜ正しいのかは、彼にも分からない。
ただ、そうしなければならぬという感覚が急き立てるのだ。
棒は四つに分かたれ、あの場所への門もすでに閉じられた。
朝の倦怠期は百年と続き、昼の太陽は月と追いかけっこ。
職務放棄だ何だと騒ぎ立てる人々は、蒙昧無知の蟲である。蟻塚に呑まれてしまえ。
熱に蒸されて、魘されろ。
冗談は二階から聞こえる。
階段を上ると、そこに立っているのは女の子だ。
片手で人形の右足を持っている。
「ここを通りたい?」
甘く囁かれ、あの子は首を縦に振る。
そしたら最後、あの子は首を取られる。
女の子は自分の顔をすげかえ笑う。
少女が三本足になり、残った一本の左手は宙に消えていった。
夜の帳は気づいた人が下ろしてくれればいいよ。
誰も気にしちゃいないけれど。
だってこんなに明るいんですもの。
びい玉は転がされることを覚え、どこまでも落ちていく。
それが義務だと言わんばかりに。
門番は門の開閉さえ忘れて、そばにぼおっと立っている。
夢遊病のように、朗らかに笑っている反面、
下半身は忙しなく、椅子を求めているようだ。
どこかに駅は無いかと探してみても、
相も変わらず雪解け水に支配されており、
通りに横たわる賢者の頭を叩かなければ、
おちおち昼寝もできやしない。
あぁ、一体誰がこんな世の中に仕立て上げたのだろう。
金貨は銀貨を食べつつ、唸った。




