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Automatic writing  作者: 半信半疑
28/73

0028

<ノータイトル>


 ふわり浮かぶ月の重さで、今夜の風はゆらり揺れてる。

 耳たぶの赤さは恋の熱。夕暮れも嫉妬する君の声。

 カラスはカァカァ鳴いてるけれど、あの子はわんわん泣いている。

 慰める言葉はのどに詰まって、呼吸困難を引き起こした。

 貝に耳を当てると、海の囁きが聞こえるよ。そう教えてくれたあの人はいない。

 もう遠い昔に旅立っていたんだ。

 向日葵が咲く丘で、太陽は愛を探してる。

 どこにでもある、ありふれた永遠は言った。

「もうすぐ沈むのに、どうしてそこまで熱心なんだい?」

 太陽は答えた。

「とても欲しいから。不安定で安定した熱が、僕を私を突き動かすんだ」


 ねずみの尻尾は左右に動き、予定に無かった月食が始まる。

「あぁ、世は何を求めているのか」

 汚れた水で息をする魚は、世界の見え方を気にしている。

 あくびを一つ、子どもは眠る。

 優しく溶けた不定形のチョコレートは、ただ甘さばかりを主張し続け、

 苦みのデモ行進に吸いこまれてしまった。


「青狸のポケットを奪い去り、望む世界をつくるのだ」

 ドアというドアを破壊し尽くすシャツの襟は叫ぶ。

 餅の弾力は絶えず反発し、金の王冠は地面に投げ捨てられる。

 靴は親指に穴があき、孤独を垂れ流した。

 愛など知らない、生まれたばかりの子羊は見つめる。

 酸素を求めて体を抱く夢たちを。

 黄色い光は暗がりに手を差し伸べ、二人で太陽の元へと向かった。

 歌詞の行方は知らないままで、闇雲に我武者羅に歩き続ける若人の群れを、

 年老いた蓄音機は静かに見守った。

 熱は、赤い魂は、

 世界を巡り続け、胎動する球体に、そっと口づけを落としている。


 最初、ちょっとリズムがある。すぐに消えるけど。


<個人的MEMO>

『水の色銀の月 2』読了後。

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