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Automatic writing  作者: 半信半疑
27/73

0027

<ノータイトル>


 ぐるぐる回っているのは天体か、それとも自分か。

 耳の奥で鳴っているのは鈴なんかじゃない。

 過激な拳と硝煙の煙。

 舞が美しいものであった頃はとうに昔のことで、

 あちら側に渡った帰還者は皆、吐瀉物塗れ。

 いわく、

「この世は汚れている。美しさなんて一側面で、裏側には腐敗臭が漂っているんだ」

 見たくないものは意図的に無意識的に遠ざけられているのだろう。

 私の目の前には赤い花はあっても、青い花はなかった。


 君の流したものが

 言葉だったのか、色だったのか、何も分からない。

 君が誰だったのかさえ。

 もしかすると、いないものを「君」と呼んでいたのかも。

 間抜けな一人遊びで人形は地面に転がっているだけなのに、私は話しかけているんだ。

 たまはどこにあるんだろう。

 本当にそんなものがあるのだろうか。

 機械にはないものが生物には宿っているなんて、

 そんな都合が良いこと。


 空を泳ぐ鳥の羽が一枚、目の前に落ちてきたとして、

 あなたはそれを手に取るだろうか。

 仮定の話、取るにせよ取らないにせよ、

 そこに意味なんかないのかもしれない。

 けど、それは同時に、意味を見いだす作業でもあって、

 二つに分かれた分岐点は結局、一つに収束していくのかもしれないな、

 なんて猫に呟いたの。


 気怠い午後の陽射しはまっすぐ降り注いで、

 私の黒い部分を焼く。

 痛みでのたうちまわっている間、雲の水晶体は朗らかに笑っている。

 もうすぐ、もうすぐ、もうすぐ。

 何度も唱えたら、突然全てが終わる。

 世界が壊れるその瞬間にどれだけ穏やかな心持ちでいられるかが勝負で、

 太陽は僕らを試しているのさ。

 誰かからもらった緑と紅の螺旋を、そっと川に流してしまおう。

 否定しがちな水あめは粘り気で何もかもを絡め取り、

 これ以上の暴力を許さない、と叫んだ。


 捨てられた小さい人を手で覆い隠し、

 最後の瞬間を看取ったら、天使が空から降りてきて、

 よく頑張ったねってあいつを連れて行った。

 私は地の底で空を仰いだ。

 灰塗れの少女はその色を嘆いたが、今日というこの日は凄く綺麗だった。

 綺麗だったんだ。


 押し込まれたトランクは鍵を壊すタイミングを見計らっていて、

 私はしばらく気が抜けない。もう少しなのに。

 トレイから溢れた水は全て台無しにするから、目を離すなとあの人は言ったけれど、

 すっとなんて無理だよ。無理だよ。

 無責任なオレンジは果汁をしぼられ、レッカーに引かれていった。


個人的メモ

 ガンスリンガーガール

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