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Automatic writing  作者: 半信半疑
26/73

0026

<ノータイトル>


 ふわり舞い落ちる桜の花びらは、どうしてか青に染まっていた。

 歯車がからから回るのに合わせて手を叩くと、

 高級な車が横付けしてきて、「もっと叩け」とバクが囁いた。

 遠い金色に重ねたのは蝶の羽音。

 無音なのに聞こえるとは、これいかに。

 忘れっぽいカタカナの形に目を止め、虫を射止める。

 テレスコープの鐘の響きが全てを壊す。

 りっしんべんの行進はとめどなく続けられ、

 椅子の軋みに構うことなく、同直線上で踊り続けたカラス。

 羽の黒さは目をつぶし、太陽は溜め息を吐いた。

 斜め上に残っていた妹は涙を落とし、口の裏で四つ葉を千切った。

 海に撒かれた銀のさざめきで、体を切り刻み、丘の頂上で灰にした。

 風と共に流れていく灰はただ静かであった。

 隣にいたメビウスの輪が外れ、抜け出した先には大まかな鼓動の金。

 ハンガーをかけたのは鋏が口煩かったからで、

 何もないドーナツのトーラスを埋めるのは、虫のいい幻想。

 甘い砂糖菓子を作る者もおらず、糖分不足の患者たちはストライキを始めた。

 単純に見えた虎の模様は複雑に絡み合い、繰り返す呼吸の内に隠れた。

 女神は岩戸に閉じこもり、全てをあきらめた。

 暗がりが右手を上げる。

 では、左手は誰の為に?

 分からないまま終わる、そんなのは嫌だ。


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