23/73
0023
「モノノ怪 座敷童子 視聴後」
松の内に生まれた光が、
育ち、苦しみながら呼吸する。
夢はやがて黒色を帯びて、時が絶つ。
白き子の声が響いた夜に、滴零れる。
どうってことない日常の泡は、
水の底に消えていく。
草木の香りで満たされた孤独を
ゆっくりと埋めるのは、
これで良いんだという自己の諒解。
雨は冷たさを増すばかりだけではない。
人恋しさから得る温かさもあるのだろう。
雪は降り落ちてくる。
望まれてかどうかは知らない。
けれど、
そこに海の優しさがある。
綺麗な潮の、
清らかな抱擁。
天は涙し、地はそれを受け止めた。