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0021
昨日書いたもの。
<ノータイトル>
こぼれおちていく夜空の星が、瞬きとともに涙を流した。
両手で受け止めようとしても、指の隙間からこぼれおちていくので、まるで意味が無い。
日々の中に埋没していった蓮の葉の広がり。
苦渋の決断で決まったのは、明日の光の通信量。
芋の大きさは様々で、蒸かす時間も一定しない。
旧支配の旋律は静かに伝わって、細波が揺れ動くさまを一人で見つめた。
垣根の先がどうなっているかなんて隣人にしか分からないのだから、考えるだけ無駄なんだよ。
縫いとめられた口の紐を切るのは難しいから、しばらく放置してみたかった。
草の刃は鋭くて、触ろうとすると傷ついてしまう。
目覚めの時に感じた光は、届くことなく暗闇に消えていった。
流されていくボトルビンの、備えていたきらめきが鈍いままなのを知らず、
沖へと駆けていくあざらし。
肉厚の脂肪は徐々に切り取られていって、
見えなくなる頃に体が残っていたかどうかは、分からなかった。
動き出した球体が半分に割れる瞬間を、私は今か今かと待ち続けている。
それぐらいは許されていいはずだ。