表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Automatic writing  作者: 半信半疑
20/73

0020

「逢魔が時から静かな夜にかけて」


 奇妙な一致もあるもので、

 夕方の雨と私の住居が重なってしまった。

 私、ずぶぬれである。

 口裏合わせに呼んでいた狼は、

 大笑いして帰っていった。

 そんなにおかしな顔をしていただろうか。


 味のないガムを噛みながら、

 ゆっくりと夜を過ごしていると、

 月のかさが見えて、

 そういえば雨が止んでいるな、と気づく。


 大きな魚が宙を泳いでいるのが見えて、

 うろこが月光を反射させていた。

 どんなに願っても空を飛べないし、泳げないので、

 私はただ、眺めることしかできなかった。

 しかし、それでもいい。

 手を触れずとも楽しめることはあるのだ。


 それでいい。

 言い聞かせるようにつぶやいた。

 光りは優しかった。

 コーヒーカップには澄んだ水がたまった。

 私はそれを、時間をかけて飲み干した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ