19/73
0019
タイトルは、現在の状態そのまま。
「後書きを書き終えて」
桜散る季節はまだ遠くて、
私の指先は冷たかった。
肌は白く、息も白く、
どこまでも白いものに囲まれ、
今日はゆっくり歩き去っていた。
十分な休息はどうして十分だと分かるのか。
本当に十分なのか、と
問うても苦しいだけの疑問について考えている。
生きたいと願う幼な子と
枯れた精神を抱える老人とを並べ、
私はどこに行くのだろう。
急激な水の流れの変化は、
誰も追いついていくことができず、
胸の内に広がる夜は
大地に横たわった。
あすの光を求めに彷徨う時、
息に熱が宿り、
私は私となる。
雪は白く、
私は赤い。
赤いのだ。