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Automatic writing  作者: 半信半疑
16/73

0016

<ノータイトル>


 目、目、目。

 たくさんの瞳。

 誰の想いを憂いているんだろう。

 もう、この世にはいない者たちの嘆きだろうか。

 私にはうかがいしることもできない。

 宙を漂う魚たちは、ひたすらに平穏を求めているようだ。

 地面から草が伸び、それがいつの間にか木になっている。

 光りはやがて柱をつくり、僕はそれをのぼるんだ。

 一段一段、噛み締めるようにして。

 けれど、どうしてだろう?

 何を噛み締めているんだろう?

 意味のある行為なのか分からなくて、

 大声で、

 空に向かって叫び出したくなる。

 それも、

 周りに誰もいないからやれることだ。

 誰かがいたのなら、

 叫ぶなんて、声をあげるなんて、

 おそろしくてできやしない。

 鉄柱が雨のように降り注ぐ町で、

 私と僕は立ちつくす。

 他にできることもないから。

 そのうち、

 風が吹いて、彼女は先に行ってしまった。

 行く先は聞いていない。教えてももらえなかった。

 ひどい奴だ、とは思わない。

 そういう気分だったのだろう。

 仕方のないことだ。

 昂ぶりは突然やってきて、勝手に体を動かしてしまう。

 理由は、探せば落ちているのかもしれないが、

 できやしない。

 行動矛盾を突きつめた先には、

 深い穴しかないのだから。

 暗闇の亡者は酷く傲慢で、

 人の言葉をききやしない。

 でも、そこに少し

 憧れもするのはなぜだろう。

 赤い夕日と青い朝日の交わる場所で、

 静かに眠っていた子らは、

 語り出す。切り出す。歌うように。


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