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Automatic writing  作者: 半信半疑
12/73

0012

「浮かぶクジラ、這いずる私」


 大きなクジラが、空を飛んでいる。

 幸せが欲しいのだろう。

 潮を吹き吹き、

 優雅に空を漂っている。

 青さが視界を埋め尽くして、

 思考にまで及ぼうとした時、

 一瞬、雷が見えた。

 ピリピリした肌が、少しだけ痛い。

 雲ばかり見ていた、土の匂いのする丘で。

 一人、上を見ていた。見上げていた。

 きれいで、澄んだ空色を。

 大きな動揺なんてありはせず、

 ただ平穏だけがそこにあって。

 でも、私は地上の底にいて。

 足を投げ出し、地べたに座っているのだ。

 そこまで悪い気分ではないけれど、

 できれば空を飛びたかった。

 蝋でできた翼でいいから、

 自由に飛んでみたかった。

 太陽の輝きは、

 眩しいから手を伸ばすのだ。

 暗がりは向こうからやってきて、

 勝手に連れ去っていくのだ。

 それを止める術を、

 私は持ち得ていなかった。

 

 

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