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「日暮れの狼」
日が暮れて。
夕は、
終わりを告げる。
帰ろう、帰ろう。
元いた場所へ。
あと少し、あと少し。
もう少し、もう少し。
狂わせた計画が
元通りになるまで。
もう少し、もう少し。
あと少し、あと少し。
元いた場所へ。
帰りましょう、帰りましょう。
終わりを告げる。
夕は、
日が暮れた後に。
「会話する猿」
やってきた恐竜に、
爽やかに挨拶。
やぁ、君は元気かい?
彼は何も言わず立ち去ってしまった。
いや、
彼女だったのかもしれない。
転がっていく石は、
忙しない。
優雅な会話も拒否されてしまったよ。
ご機嫌いかが?
何て言ってもみろ。
たちまちプッツンだ。
隣の芝生の青さを、
最大限に褒めちぎったのだが、
どうやら勘違いされたらしい。
純粋な気持ちは、
目に見えないものだから、
盲目のばあさんには伝わらなかったようだ。