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閑山自撰詩篇

伴走者と影

作者: 竹井閑山

ボードレールは酔えという

酒により 詩により 道徳により

ただしあなたの好むがままに

ヨハン・シュトラウスならさだめし

酒により 女により 歌により

私はヨハンに一票を進呈

ただし女は贅沢品

手に入ったとて思うにまかせぬ

この世で一番の贅沢品

酒にしろ歌にしろその代用品

女はどうやって手に入れる?

なぜに飽くまで求め続ける?

憂鬱なのはボードレールさん

巴里ではなくてあなたのほう

本当に必要なのは酔う媒体でなく

生きる活力とその見つけ方

酒も女も歌も道徳も

なべていしずえとなる伴走者

けれどもすべての伴走者が去ったとき

私という実体の何が残る?

活力の影しか残らぬではないか

久保田万太郎はそれをうすあかりと呼び

金子光晴はくらげに見立てた

早晩私は影になる

つまり記憶を失うということ

いのちあるうちに書き留めねばという思いは

決して後世のためではない

影がふたたび光をとり戻したそのとき

私がかつてこの世に存在したことを

(あなた)が読んで思い出すため




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