28 激突2
「こっのぉぉぉ!そこをあけろ!邪魔だぁぁ!ハァ…ハァ…。イリス!」
「シルヴィ先に行って後から行く!」
レオンの元へいこうと残っている下っ端を薙ぎ払いながら進んでいたシルヴィとイリス。先に抜け出したシルヴィは、一人で先行する。少し遅れたイリスは、少しずつ進みながら相手の頭を確実に狙い撃つ。
「あ!しまった!」
ついに弾が尽きてしまった。それを見て下っ端たちが好機と見て突進してきた。イリスは、その場にライフルとリボルバーを地面に置くと。
「イリスを甘く見ないでよね!」
スカートを翻すと内側から何かを取り出して、それを両手に装備して下っ端を殴る。そして、また殴る。腹部に猛烈な連打。最後に左のストレートを顔面にクリーンヒットし吹き飛ばした。イリスが両手に装備したのは、金色に輝くメリケンサックだった。
「イリス急いでるから一撃で沈めるよぉ~」
一方フィオナは、ゴルドと戦っているシャールに加勢していた。
「一人で十分だ!お前は、さっきの二人と向こうに行け!」
「貴女一人じゃ大変でしょ?二人ならすぐ終わる」
「私の邪魔するなよ!」
ゴルドに向かって走り出すシャールの後ろから、フィオナが無数のナイフを一直線に投げる。それをシャールは、後ろを見ずにかわしながら突き進む。
「終わりにするぞゴルドォォォ!」
「終わらん!終わらんぞ!」
一足先についたシルヴィの目の前には、壮絶な戦いが繰り広げられていた。刀を右腕だけでバルゾフの大剣を受け止めていた。レオンの顔は、余裕すら感じられそれが気にくわない様で、バルゾフが何度も何度も上から大剣を叩きつける。さすがのレオンも先ほどの余裕を見せていた表情が無くなり、歯をくいしばる。
「レオン様!」
「シルヴィ!来るな!」
「ですが!」
バルゾフの攻撃をかわして一旦距離を置く。
「シルヴィは、邪魔な奴らが入らないようにしてくれ!こいつは俺がやる!」
「威勢はいいが苦しそうだな。片腕だけじゃ攻められないか?」
「フッ。そんなことないさ」
「ほぉ~。じゃ攻めてみろ」
その場で高く飛び上がりバルゾフの頭上から一気に急降下し刀を振り下ろす。刃と刃が重なると火花を散り一瞬突風が吹いた。
「やるじゃねぇか。今のは、痺れたぜ」
「俺が本気を出したら一瞬で終わるぜ」
「じゃあ本気を出せよ」
「少し遊んでからだ!」
離れたところから見守ることしかできないシルヴィ。
「……レオン様。無茶はしないでください」