緊急依頼
街についてすぐ、俺は冒険者ギルドへ向かった。
理由は先ほどの盗賊の引き渡しだ。
盗賊を引き連れてギルドに入ったら皆一様に動揺してたのは言うまでもない。
普通は盗賊を見つけたら逃げられないように殺してしまうらしいからな。
そんなわけで皆動揺していたが、盗賊達が動けないのをみて、すぐに引き渡しにうつった。
しばらくして、ギルド員が帰ってくると何やら手には金色に光るものが数枚。
「これは報酬金の金貨5枚になります。あいつらは最近この付近で暴れていた盗賊団でしてね、迷惑していたんです。今回はご協力ありがとうございました」
おぉ、これが金貨か。
確か一枚1000ユルだったか。
だいたい1ユルが日本円だと100円ぐらいだから、今50万円もってることになるのか。
こりゃ、大金だな。
ギルド員から金貨5枚を受け取る。
さすが金貨だ重みが違う。
などとたわいもないことを考えていると、
なにやら依頼掲示板のあたりが騒がしくなった。
「ん?何かあったのか?」
とりあえず掲示板の方へ向かう。
掲示板の周りには冒険者が群がっている。
皆が注目している先を見ると緊急依頼と書かれた紙が貼られている。
「緊急依頼?」
その内容はこうだ。
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<緊急依頼>
アルバ草原にて、ワイバーン3匹を確認。
至急討伐を求む。
参加資格
・腕に自信があること
参加人数
・今回は人数を問わない
報酬
・参加者1人につき金貨5枚
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ワイバーンか。
ワイバーンは全長が3mのドラゴンだ。
気性が荒く、敵と判断すると迷わず襲ってくる。
ドラゴンの中では弱い部類に分類されるが、魔物としての危険度はBランク。
これはレベルが30の冒険者2人で一匹倒せるレベルだ。
今俺のランクは2だ。
正直ランクだけで見ると危ないな。
だが、今のレベルは66。
問題ないか。
俺は緊急依頼を受注することにした。
最終的にワイバーンの依頼を受けたのは10人。
これだけ入れば問題ないだろう。
10人で集まり軽く挨拶と打ち合わせをした後、準備のために一旦解散となった。
出発は1時間後。
とりあえず俺は武器と防具を揃えることにするか。
というわけで武器屋、防具屋へと向かった。
武器屋と防具屋。
どちらも小さな店だったが、素人目ながらも良いと思えるものが多く置いてあり中々よかった。
その中で俺は無難に鋼鉄の片手剣と鋼鉄の鎧を買った。
2つ合わせて金貨一枚。
まぁ、そんなものだろう。
その後は回復薬などの戦闘必需品を買い揃え、準備万端だ。
俺は多少の緊張をにじませながら集合場所へと向かった。
□
全員が集合すると早速ワイバーンの討伐へと向かった。
今回は10人の中で、前衛が7人・後衛が3人と中々良いバランスのチームとなった。
もちろん俺は前衛だ。
大人数のチームでの戦いは初だが、俺の役割は隙をみて横から攻撃すること。
そこまで難しいものではないだろう。
移動中、皆緊張したおもむきだったが、軽く談笑したりと、そこまで重々しい雰囲気ではなかった。
それもそうだろう。
メンバー10人の平均のレベルは55だ。
さらに人数的にも、こちらにかなり有利な状況。
誰も油断はしていない。
しかし負けることはないだろうと思いながら移動していた。
□
その後ワイバーンを発見。
数は依頼の通り3匹。
向こうがこちらに気づいたのと同時に戦闘の火蓋がおろされた。
まずは作戦通り、前衛がワイバーンに攻撃をし、注意を向けさせた。
そしてその隙に後衛の魔法使いが詠唱を唱え、ワイバーンへと魔法を放つ。
うまく3匹すべてに命中し、バランスを崩したワイバーン達は地面へと落下した。
ワイバーンが落下したその隙を狙って、前衛が思いっきり攻撃をする。
もちろん俺もそれに加わった。
その後もこれの繰り返し。
初めてのチームだったが、中々連携も取れていて順調に進んだ。
そして何回かこれを繰り返した時、ワイバーン達が地面に落下したまま動かなくなった。
終わったのか…。
俺は安堵した。
他の皆も警戒はとかずとも、少し安堵しているようだった。
「皆!お疲れ様!ワイバーンを解体し、アイテムボックスに入れたら、すぐに街へ戻ろう」
今回リーダーをつとめたランク7の冒険者、ルークの言葉だ。
各々それに反応し、ワイバーンの解体に向かおうとしたその時。
ん?急に空が暗く…。
なっ!?
俺は驚愕した。
太陽の光を隠す巨大なワイバーンに。
そして何よりも、
ここまで近づいているのに、どうして誰も気づかなかった!?
あり得ない。
見た感じ全長は5mの巨体だ。
なのに接近していることに誰も気づかないなんて…。
皆、今起きている状況を把握できていないようだ。
そんな中、誰かが驚きで目を開きながら呟いた。
「ワイバーンの…亜種、だと…?」
日が傾きオレンジ色に染まる空に巨竜の咆哮が響き渡る。
ワイバーンとの戦いはまだ終わらない。
こんにちは!
今回は急いで書いたため、おかしな点があるかもしれません。
なにかおかしな点がありました、ご報告お願いします。
では、次回もお楽しみに!