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何気ない日常

「ご、ご主人様!?なぜ床に!?」


「ん?あぁ、おはようティアラ」


「あ、おはようございます。…って、おはようではありませんよ!なぜご主人様は床で寝ておられるのですか!?」


「いや、だって寝る所なかったし」


「私を床に寝かせればよかったではないですか!ご主人様を差し置いてベットで寝るなんて私奴隷失格です!!」


「あ、うん。その、なんかごめん」


「わかれば良いのですよわかれば」


…あれ?ティアラってこんなキャラだっけ?



「先ほどは申し訳ありませんでした。つい、熱くなってしまって」


「ああ、まあ気にするな?」


「はい!ありがとうございます!」


ティアラに何故か怒られた後、俺たちは食堂で朝食をとった。

まぁ、またご主人様がなんちゃら言っていたので無理矢理口に突っ込んだのだが。


朝から色々あったが、今日は休みとしたため、午前中はそれなりにのんびりとできた。

午後からはティアラの日常品や装備などを買うつもりだ。

何故装備が必要かというと、ティアラが一緒に依頼を受けたいというからだ。

ご主人様が働いているのに奴隷がのんびりしているのは我慢できないそうだ。

まぁ、獣人は人族よりも基本ステータスが高いようだから大丈夫だろう。


というわけで昼飯を食べ、準備ができた俺たちは宿をでた。



「この服かわいいですね!どうですか?ご主人様!」


「ん?あぁ、似合ってると思うぞ?」


「本当ですか?ありがとうございます!」


「…さて、そろそろ買って帰ーー」

「ご主人様!これなんてどうですか?」


「え?あぁ、似合ってると思うぞ?」


「嬉しいです!ありがとうございます!」


外を眺めるともう日が暮れ始めている。

午後になり、服屋に向かってから早5時間。

その間今のようなやりとりの繰り返しである。

最初は服を買っていただくなんて恐れ多いとか何とか言ってたが、好きな服を何でも買ってやると言い続けたらやっとティアラは折れた。

だが、そこからが凄かった。

初めはまだよかった。

少し控えめに服を見ながらニコニコしていただけだから。

だが、俺が試着したティアラを似合ってると褒めてからだったか…。

突然たくさんの服を抱え込み、何着も試着していったのだ。

あの時の尻尾の動きといったら…勢いよすぎて千切れないか心配だったほどだ。

そして色々あり、気がつけば5時間が経過していたというわけだ。


店員さんからの視線が痛い。

早く買って帰れと目で訴えかけてくるようだ。


さて、ティアラも喜んでくれているようだし…帰りますか。


「ご主人!これ何かーー」

「ティアラ。そろそろ落ち着け」


「へ?あれ?日が暮れています。もうこんな時間ですか。…すみません、ご主人様。はしゃぎ過ぎてしまったようで…」


「まあ、気にするな?ティアラが楽しかったならそれでいいさ」


「ご、ご主人様っ‼︎今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました!」


「さ、帰って食堂で夕飯だ」


「はい!ご主人様!」


こうして俺たちは服屋を出……


「待ってください!あれだけ試着して一着も買わないんですか!?」


「「あっ」」


本来の目的をうっかり忘れるところでした…。



あの後、ティアラの服を3着買った。

その3着を選ぶのにさらに2時間もかかったのは、なかなかの苦行だった。


その後俺たちは食堂で食事をとり、今は部屋にいる。


「んっ、あっ、ご主人様。そこはダメですっ」


「………」


「あっ、上手ですねっ、ご主人様っ」


「………」


「んっ、あっ、私、私もうダメですっ!」


「…なぁ、もう少し声を抑えられないか?」


「へ?あっ、すみません、ご主人様。あまりにも気持ち良かったものですから。あっ、肩が軽くなりました。さすがご主人様です」


俺たちは別にやましいことをしていたわけではない。

そこだけは信じてほしい。


全ての買い物が終わり帰る時に、荷物を持ちたいと涙ながらに懇願してきたので持たせてあげたのだ。

そうしたらどうやら肩の凝りが酷くなったようだったので、肩を揉んであげただけだったのだが…。


はぁ、まあいっか。


「肩が軽くなったのならいいか。また凝ったら言うんだぞ。その時はまた肩もんでやるから」


「本当ですか!ありがとうございます。ご主人様!」


全く、何がそんなに嬉しいんだか。

尻尾なんてあまりにも速く振り過ぎて、俺でも目で追えないんだが。

まぁ、楽しそうだし、いっか。


「さて、そろそろ寝るか」


「はい。今日は本当に楽しかったです。では、おやすみなさい、ご主人様」


「ちょっと待った。何故床で横になってるんだ?」


「え、ご主人様が寝ると仰ったので私も寝ようかと思いまして…」


「そうじゃない。何で床なんだ?」


「ご主人様がベッドで寝ておられるなら、奴隷なら床で寝るものだと思っていたので…もしかして寝てはいけませんでしたか?」


この前もそうだが、寝ちゃダメとかティアラの中で俺はどんだけ鬼畜なんだよ全く。


「ベッドで寝ればいいじゃないか、俺と一緒に。2人寝るのに十分な広さはあると思うが?」


「へっ!?一緒に…ですか?そ、そそそ、それは…私にご主人様のご奉仕をしろ

…ということでしょうか?」


「え?ご奉仕?ご奉仕ならいつもティアラにしてもらってるじゃないか」


「え!?私ご主人様にご奉仕しましたっけ?うそっ、いつの間に…。でもまだ昨日あったばかりでは…」


「いやいや、昨日会ってから色々してくれてるだろ。洗濯をしてくれたり、朝起こしてくれたりとかな」


「…へ?あ、あぁ!そうですね!確かにご奉仕していました」


「だろ?さっ、そろそろ寝るぞ。ほら、横に来い。広いベッドだし、狭くないから大丈夫だぞ」


「そうですね、ではお邪魔しますね。…ふふっ、おやすみなさいご主人様」


「ああ、おやすみ。ティアラ」


この時、ティアラは思った。

本当に素晴らしいご主人様に出会えたと。

これからもご主人様の役に立ちたいと。

ずっとご主人様のそばにいたい…と。


窓から外を眺めると無数の星がキラキラと輝き、まるで私を応援してくれているような


……そんな気がした。


こんにちは!

今日は雨が降っていて少し憂鬱です。


さて、ティアラの性格についてですが、普段はしっかりしていて真面目なのに、テンションが上がるとまるで小さな子供のようにはしゃぐ感じです(笑)


さて、ヒロイン2人目についてですが恐らくあと5話から10話あたりで登場するのではないかと思われます。

新しいヒロインが登場して、ティアラが厳かになるということはありませんのでティアラ派の方はご安心ください。


では、次回でまた会いましょう!






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