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奴隷商館

すいません。ヒロインは次回です。

一週間が経過した。

あの後幾つか依頼を受け、合計で金貨1枚を得ることができた。

だが一週間近く頑張ってやっと金貨一枚なのだ。

それを考えると、ワイバーン亜種時の報酬のすさまじさが伝わるだろう。


あぁ、いい仕事したなぁと改めて思う。

ちなみにまだ金貨160枚は残っている。

武具を買おうと思ったが、良いと思えるものがなく、保留となっているからだ。


そんなこんなで俺は今、夜の街を歩いている。

もちろん、犯罪を犯すわけではない。

れっきとしたギルドの依頼だ。


その依頼の内容は、西エリアで魔物のような不審な影を見たので調査して欲しいというものだ。

イードレの街において西エリアというのは、東西南北のエリアのうちの一つのエリアで、主に娼館や奴隷商館のようなあまり表立ってできないような店が並んでいる。


いまだ性経験の無い俺がこのエリアに入るのは少し気が引けるがしょうがない。

この依頼は落とせないからだ。

理由はもちろん報酬が高いことだ。

ただの調査で金貨一枚の大金、これ程素晴らしい依頼もないだろう。

「あら坊やイケメンね。坊やなら半額でやらせてあげるけど、どうかしら?」

…この依頼の報酬が高いのには理由がある。

西エリアは治安がかなり悪い。

だから冒険者のような金を持ってそうなやつがくると襲われることがあるのだ。

「あら坊や可愛い顔してるわね。今夜私とどう?」

……まぁ、俺は襲われることは殆どないがな。

理由は簡単、鑑定の力があるからだ。

鑑定の力があればステータスがわかる。

ステータスを見て、普通より高い奴が居たらそいつを警戒して動けばいいのだ。

結論、俺にとってこの依頼は簡単にお金が手に入る夢のような依頼というわけだ。

「ウホッ!良い男。今夜あたしとどぉ〜?」

………前言撤回、悪夢でした。



30分が経過した。

結局あの後魔物らしきものは見当たらなかった。

だからもうギルドに魔物はいないと報告しようかと思った時、不意に後ろに2mをこす大きな影が。


なっ!?魔物の反応はなかったぞ!?どういうことだ!?


そう思い勢いよく振り返るとそこには…


「冒険者様でいらっしゃいますな。そうなると戦いのパートナーなど必要ではないでしょうか?ならば是非とも私の奴隷商館におこしくださいな。私の名はドイーヒで、商館名はそのままドイーヒ商館でございます。見てくだけでも構いませんので、さぁさぁこちらへ」


手をスリスリしながらこちらに話かける巨体があった。

確実に2mをこす身長。

丸々と太った身体。

瞬間俺は気を抜くとともに確信した。

こいつが、例の魔物の正体だろうと。

あぁ、別にこいつは魔物が化けたものだというわけではない。

この身長と体格から、魔物と間違えられたのだろうとなぜか確信できた。

まぁ、一種の勘だろうか。

それよりもこいつは奴隷と言ったか?

奴隷か…そう聞くと嫌なイメージしかわかないな。


俺が考えこんでいるうちにも、どんど店の方へと連れていかれる。

奴隷なんて買うつもりはないが、まぁ見るだけなら良いか。


この時の俺は、後にある一つの出会いがあることをまだ知らない。



「こちらが最後の戦闘用奴隷でございます。これはとにかく…」


商館に入ってから一時間は経過しただろうか。

俺は今、商館内を歩きながら一人一人奴隷の紹介を受けている。

どうやらこの商館は檻に入った奴隷をそのまま紹介するシステムらしい。

まぁ、どうでもいいが…。

ちなみに今紹介された戦闘奴隷がこの商館内の最後の奴隷らしい。

全員見て思ったことは可愛い子や美人な人が多いということだ。

男ならやはりそこに目がいくだろう。

だが…


みんな目が死んでいる。


何があったかはしらないがきっとツライ過去を持つのだろう。

そういうものを感じるととても胸が痛くなる。


「いかがでしたかな?なかなか良いものが揃っていたでしょう?言い忘れていましたが皆まだ処女ですので、ご安心ください」


そう話かけてくるドイーヒさん。

何が安心してくださいなのだろうか。

ドイーヒさんの迫力が凄すぎて全く安心できないのだが…。


「まぁ、美人が多かったですね」


とりあえず社交辞令のように返す俺。


「そうでしょう、そうでしょう!ではどれかお気に入りのものがあったのでしょうか?ならばお教えください」


「いや、買いはしません。今回はたまたま通りかかったで大したお金は持ってないですし。そういうわけだからまた今度お伺いするということで、どうでしょうか」


先に考えておいた逃げるための口実。

だが…


「大丈夫ですよ!お金なら契約後持ってきていただければ結構ですし、一括が無理なら分割払いでも構いませんし」


…なかなかしつこいな。


「ですが、俺はまだ冒険者の初心者で、収入も少ないですし、まだ…ん?」


なんとか逃れようと口実を述べようとした時だ、ある鉄製のドアが目に入る。

俺は何故かそこから目を離すことができず見ていた。

そして口を開きドイーヒに問う。


「あの部屋は…何の部屋ですか?」


その言葉に返ってきたものは信じられないものであった。


「あの部屋は、売れ残りがいる部屋ですね。今あの部屋には明日処分されるのが1人入っています」


明日、処分?


「処分…ですか?」


「はい。売れ残りに用はないですから。ですが今回のは上物なので、できれば高値で売りたかったんですがねー」


「上物なら何故売れなかったのですか?」


「あぁ、実はねそれは呪い持ちだったんですよ。それもパートナーを組んだらそのパートナーを猛毒状態にするという凶悪なものでした。それさえなければ今頃は儲かっていたはずなのですがねー」


呪い…か。だが…


「あの、処分される予定の奴隷を見せていただけないでしょうか」


「え、は、はい。もちろんでございます。ですがこちらとしてはあまりオススメはいたしませんが」


そういいながら、ドアの鍵を開けるドイーヒ。

そしてドアを開き中に入っていく。

それに続く俺。


うっ!?


瞬間、悪臭が俺を襲う。

あまりにも凄まじい臭いで吐き気が襲うが我慢して進んでいく。


そしてそこには…


!?


銀髪をした少女が…倒れていた。


こんにちは!


今回はついにヒロインの片鱗が見えましたね。

そして次回こそついにヒロインが登場しますのでお楽しみに!


では、次回でまた会いましょう!

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