第3話
1話かくたびにストレスがたまってきます。
状況を確認しようと思う。俺の体が骨だけになったことに衝撃を受けてからだいぶ時間が経っていた。この様子だと頭も骨だけになっているのだろう、とおそらく当たっているだろう俺の予想を確かめようとはしなかった。それだけ気が滅入っていたのだ。
(どうしてこうなっちまったんだ・・・)
スケルトンがどういう存在か知っているだろうか。簡単言えば、生き物のように動く骸骨の魔物だ。この世界では、一度死んだ者が甦って動き回るものはアンデッドと呼ばれており、スケルトンもこのアンデッドの一種だ。他のアンデッドの種類を挙げるとしたら、ゾンビや屍食鬼、所謂グールがこれにあたる。まあ、スケルトンにはこの2種族とは明確な違いがある。それは死ぬ前の魂とスケルトンになった魂が全くの別のものだということだ。スケルトンはゾンビやグールと違って死んだその生物の肉が完全になくなった状態でその生物以外の魂がそれに入り込んで初めてスケルトンが誕生する。またスケルトンには数多くの種類が存在する。ゾンビやグールは元が人でなければならないが、スケルトンは骨であれば何でもいい。ゴブリンスケルトン、ウルフスケルトンなど色々いるな。とはいってもスケルトンが生まれるためにはその生物の骨の大部分が残ってなければならない。魔物は死んだあと骨は他の魔物に食われるのが大半のためやっぱり人族がベースのスケルトンが一般的に知られているな。
それでスケルトンの強さについてだが、これが全く強くない。魂と体が別のものだから、理由はたったこれだけ。剣術しか練習していない人にいきなり弓をつかえってのが無理な話のように、動きづらいんだ、これが。だから冒険者ギルドでの討伐ランクは最低のF。初心者の練習台としか認識されていない。その気になれば戦いに関して素人な村人が棒っきれで倒せるような存在だ。
で、その最低ランクの魔物なった俺だが、どうやら普通のスケルトンとは別物らしい。体がもともと俺のものであることと、死んだわけではないらしい。俺はその事実が嬉しくて、そのことが判明したきっかけであるステータスにもう一度目を向けた。
名前:ロイ・オースタム
年齢:17
種族:ヒューマン〈闘士〉
性別:男
ランク:SSS
HP:7098/23397
MP:175/19586
攻撃:38067
防御:30576
特攻:36257
特防:29879
スキル:
【武神】Lv10
【縮地】Lv10
【隠蔽】Lv10
【神眼】Lv1
【超回復】Lv10
【高速思考】Lv10
【魔力操作】Lv10
【状態異常完全無効】Lv10
称号:
《スフィアソード》
ステータスも下がったのではないかと思ってみたら種族が全く変わっていない事が分かった。視界がはっきりと見えるようになったのはスキル【神眼】のおかげだ。奴らとの戦いで新しく発現したスキルだ。その【神眼】なんだが、効果がすごすぎる。
スキル【神眼】
半径500歩以内の空間を完全に認識できるようになる。
半径100歩以内でのスキル使用者に対する敵意を認識できるようになる。 半径50歩以内で視認する対象の急所が見えるようになる。
半径5歩以内で視認する対象の2秒後までの未来が見えるようになる。
半径5歩以内で視認する対象の過去が見えるようになる。
半径5歩以内で認識する対象のステータスが完全に見えるようになる。
何このスキルっ!!?と叫んでしまった。声は出ないのだけど。はっきり言ってこのスキルと【高速思考】を組み合わせれば無傷で敵を倒すことができるようになる。俺はこの高スペックなスキルを見て浮かれていた。
そして・・・だんだんと怒りがわいてきた。
(どうして・・・、どうしてあの時発現しなかったんだっ・・・!)
この時涙を流せなくなったおれは間違いなく泣いていた。
誤字、脱字のほうがありましたら、ご指摘のほうよろしくお願いします。