空の欠片
ご閲覧頂き誠にありがとうございます。
ふわり、と
白い花びらが舞い落ちる
冷たい温度
なのになんだか、温かいきもち
そっと
空に手を伸ばしてみる
指の隙間を抜けて
泡沫のように
すっと
消える
もし
私の体に温度がなく
氷のように冷たかったなら
この手で触れられるだろうか
消えたりしないだろうか
けれど
君を抱く大地も
君を運ぶ風も
君を守る草木も
ただただ無情に、冷たくはない
温かく
包み込むように
もし
たくさんのあなたを掻き集め
一つの場所にまとめたなら
この手で触れられるだろうか
壊れたりしないだろうか
ふわり、と
舞い降りてきた空の欠片は
窮屈そうに
個々の形など分からなくなってしまう
君をまとめてしまったら
君はもう、君ではなくなってしまう
ふと
大きく息を吸って
吐いて
白く濁る空気を見る
私の体温の色
君の白
なんだか温かい気持ち
お読み頂き誠にありがとうございました。