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第1話 友情、愛情、絆…不安の影

現在連載中の私の短編集「ふわふわ日記」をある程度読んでいただき、登場人物の性格や世界観をご理解いただきましてから、お読みくださることをおすすめします。

明奈と翔が大学を卒業して2年以上の月日が流れた…

2人は恋人のまま、変わらぬ関係を築いていた。

明奈の友人の沙枝と翔の友人の翼も恋人の関係となっており、ダブルデートというわけではないが4人で集まることもあった。その光景は、2年以上経った現在でも大学時代の学食での光景と一緒だった。




この日も、明奈、翔、沙枝、翼の4人で居酒屋に集まっていた。

「…就いてる仕事まで似たような仕事なんて、2人ともホントに仲良しだよね。」

明奈が、同じく機械に携わる仕事をしている翔と翼のことを言った。

「確かにな(笑)でも、俺はともかく、翔は文系の勉強が死ぬほど苦手だから機械いじるしかないもんな。」

「そんなー。翼だって大学入った時、ビリで受かったくせに…。」

「こらっ、翔。人前でそれを言うなっ。」

4人は声をあげて笑った。

「でも、翼はともかく、翔君は機械の仕事向いてると思うよ。ああいう仕事こそ、翔君の繊細さが求められるんじゃない? 明奈の仕事も植物扱うからそんな感じなのかな…。みんな、自分に合った仕事についてるね…」

沙枝はそう言うなり、口をつぐんで元気をなくしてしまった。

「えっ、どうしたの? 沙枝の働いてる会社、ものすごく評判いいじゃない。」

明奈がそう言うと、翔と翼も同調する。

「でも、私なんて少しでも給料が高くて、少しでも労働時間が短くて…って、そんな理由で会社選んで、何か得意なこと生かすとか、好きなこと生かすとか…全然そんなんじゃないし。」

沙枝の言葉を聞いて、明奈が最初に口を開く。

「別にそれでも良いじゃない。悪いことしてる訳じゃないんだし。沙枝、人一倍就活頑張ってたじゃん! ちゃんとやることしっかりやってるんだから。」

「そうだよ、俺だって比較的好きなことをしてるかなって思うけど、別に立派な志を持ってるって訳じゃないしさ。」

「僕なんて、設計図の漢字を読み間違えてよく怒られるよ。」

皆、口々に励ましの言葉を口にし、翔の言葉を聞いた沙枝はクスッと笑った。

「そうだよね。いろいろあるけど、楽しく過ごさなきゃ。」

沙枝は元気を取り戻したようだ。

「そうだよ。今日は楽しむために集まってるんだから! よし、もっと飲もうぜ!」

翼のその言葉をきっかけに、やがてその場は最高潮に盛り上がった。








次の日…翔は自宅に翼を呼び出していた。

「翔の部屋はいつ来てもきれいだな。そして、ポケモンのぬいぐるみがいっぱい…。あっ、明奈ちゃんの部屋もそうだっけ?」

翔は大学を卒業したのをきっかけに一人暮らしを始めていた。

「…で、早速だけど、話って何?」

翼が尋ねると、翔は深呼吸を1つして口を開いた。

「あのね…」

「どうした?」

「…」

「…?」

「…そろそろ明奈と結婚したいって思ってる!」

翔は思い切ってそう言い切った。

「…お、おう。」

翼は突然のことで驚く。

「…親にはもう相談して大賛成だって言われた。だから、あとはその…プロポーズをするだけなんだ。」

翔は照れくさそうに、でもどこか嬉しそうに言う。

「…そっか。いや、急に言われてびっくりしたけど…良いと思う! 俺も大賛成だぜ! よし、頑張れよ、翔。俺も応援するからな!」

親友の素敵な報告に翼も舞い上がった。








…その頃、明奈と紗枝はとある喫茶店でお茶をしていた。

「明奈、昨日は楽しかったね。」

「うん!4人で集まったの久しぶりだったしね。」

「私も自分の仕事に何か自信持てるようになったし…。あっ、そういえば、明奈の弟って今年就職したばっかりだったよね。何の仕事してたっけ?」

「うん。学校で事務の仕事してるよ。私の職場と近いから住んでる場所も割と近くなんだけど…そう言えば、最近会ってないなー。」

その時、明奈の携帯が鳴った。

「あっ、マナーモードにするの忘れてた。ってか、弟からだ。噂をすれば何のそのってヤツだね。ごめん、ちょっと席外すね。」

そう言って、明奈は店の外に出た。




「もしもし…」

「あっ、姉ちゃん、今から会えない?」

「えっ、今、友達と一緒なんだけど…どうしたの?」

「大事な話があるんだ。直接話したい。」

「それって、今度じゃダメなの?」

「なるべく早く話したいんだ。頼むよ。」

「えっ、でも」

「いいから頼む!とりあえず姉ちゃん家で話したいから、家にいて!」

…そう言って、弟は一方的に電話を切ってしまった。




店に戻ると、明奈は沙枝に事情を話した。

「…ごめんね、沙枝。」

「ううん、急用なら仕方ないよ。」

「休みが合ったら、またゆっくり話そう。」

「うん、弟さんのこと、すぐ解決するといいね。」

「うん、ありがとう。また今度。」

明奈は沙枝に手を振りながら店を出ると、弟に言われるまま自分の部屋へと向かった。

こんにちは。睦月詩音です。明奈と翔が社会人になり、それからどうなるのか。…ついつい書きたくなってしまい、連載することにいたしました。一連のストーリーをきちんと作れるのか少し心配ですが、温かく見守ってください。

大学時代の二人の日常を描いた「ふわふわ日記」の方も更新を続けたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

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