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素敵な絶望

「ごめん、死んで」


小さく呟いた彼女は、俯いていた。

その手に握られていたのは、小さな刃物。

それで僕を殺そうというのか?


「……里果?」

「うん、ごめん。でもね、私の義務だから」

「僕が死ぬのは君の義務?」

「そうじゃないよ。充の幸せを作るの」


彼女は、整ったこの上なく美しい顔に微笑を浮かべた。

刃物の刃を握っているため、その手から血が滲んでいる。


「僕が死ねば、君は幸せなのか」

「そうね。それもあるけど、やっぱり、

 あなたはもう生きたくないでしょう?

 協力してあげるわ」


短い言葉を交わすと、彼女が真っ直ぐ、僕に向ってきた。

ああ、終わりだ。


「ごめんね、充。もっと幸せにする方法、

 あったのかもしれないね」


そう聞こえ、僕は絶望に陥った。

目の前に広がるのは、紅い血の海。

刃こぼれした刃は、案外よく切れるものだった。



これはキャスの前スレ、エデンからファンタジアに転載、そっからさらにお引越し。長い旅だわね。キャスの方とは題名変えました。「綺麗な朱色」はなんだかしっくりこなかったので。

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