18/18
ありきたりで特別な幸福
「妊娠、か」
「うん。なんか、ごめんね」
「なんで謝んの。嬉しいよ。
…結婚、しようか?」
ふるふる、と千絵ちゃんは首を振った。
「もうちょっと、頑張ってみようよ。
仕事を捨てるのも嫌」
「別に続ければいいじゃん。
子供産んでから。別に、
専業主婦になれとかじゃないよ、結婚は」
驚いたように、俺の顔を見上げる。
「だって、大地、
ずっと前からお嫁さんは家庭的な人って…」
「別に専業主婦が家庭的ってわけでもないよ。
俺、千絵ちゃんの料理とか全部ひっくるめて、
千絵ちゃんが好きなんだから」
まだ目では確認できない、
新たな命が詰められた彼女の腹部を撫で、
俺は立ち上がった。
なんということでしょう!((いい加減にry