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降誕・新・水滸伝・続篇  作者: velvetcondor guild


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至福の宴の翌朝、梁山泊を包んだのは祝祭の余韻を切り裂くような、冷徹な**「朝廷からの親書」**でした。

それは、これまでの高俅による私怨の討伐令とは異なり、皇帝・徽宗の直筆に近い重みを持った、甘く毒の混じった「みことのり」でした。

一、 詔の罠:宋江の「忠」を衝く

「梁山泊の義士ら、遼を退けた功績、誠に天晴れなり。よって、これまでの罪をすべて赦し、正式に朝廷の軍として迎え入れる。ついては、天下の安寧のため、各地を騒がす四つの賊を平らげよ」

呉用は親書を一読し、眉をひそめました。

「宋殿、これは『毒を以て毒を制す』策です。我らを正規軍として認めると言いながら、その実、我らを死地へ追いやり、消耗させ、使い潰す気です」

しかし、宋江の瞳には、かつての「官吏」としての宿命が宿っていました。

「呉先生……これが、我らが陽の当たる場所へ出る唯一の道かもしれぬ。百八人の兄弟たちが、日陰者として終わらぬために」

こうして、梁山泊軍は「第二の国家」としての地歩を固める間もなく、朝廷の命による**凄惨な消耗戦へと足を踏み入れることになります。

二、 削り取られる宿星の光

遼国征伐(再び)

北方の極寒の地での泥沼戦。草原での遊撃戦とは異なり、堅牢な城塞を一つずつ落とす攻城戦が続きました。秦明や索超ら猛将たちが、異国の地で心身を擦り減らしていきます。

戦いは勝利に次ぐ勝利でした。しかし、その代償はあまりに大きかったのです。

武具の損耗: 湯隆の鍛冶場は火が消える暇もなく、鉄材が尽き始めました。

兵士の疲弊: 三十万を誇った軍勢は、相次ぐ激戦と疫病により、その数を半減させていきました。

兄弟の別れ: これまで一人の欠員も許さなかった「百八星」の絆に、ついに亀裂が入ります。小兵や地煞星たちが、南方の湿地帯で次々と帰らぬ人となっていきました。

「兄貴……。俺たちの酒は、いつからこんなに血の味がするようになっちまったんだ?」

李逵が、傷だらけの板斧を杖にして宋江に問いかけます。その声には、かつての宴の勢いはありませんでした。

三、 呉用の沈黙と、宋江の孤独

呉用は、日々届く戦死者の名簿を前に、自らの知略が「兄弟を死なせるための道具」になっていることに苦悩します。

「宋殿……我らは、朝廷という巨大なうすにかけられ、磨り潰されているのです」

宋江は、戦袍の裾を血に染め、遠く燃える方臘の城塞を見つめていました。

「わかっている、呉先生。だが、止まれば賊に戻り、進めば死ぬ。我らは、この『義』という名の地獄を最後まで歩き抜くしかないのだ」

梁山泊は「不敗の神話」を維持しながらも、その内実では英雄たちの命の灯火が一つ、また一つと消えていこうとしています。

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