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降誕・新・水滸伝・続篇  作者: velvetcondor guild


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5 降誕・新・水滸伝

第二日 天罡星

第二の日、天は前日と変わらず静かであった。

しかしその静けさは、同じものではなかった。

すでに一つが刻まれた静けさであった。

始まりを持った静けさは、

もはや永遠ではない。

終わりへ向かう静けさである。

南天門の奥、白玉の宮。

玉座の前に据えられた石は、

前日と同じ姿でありながら、

すでに同じ石ではなかった。

そこには、ただ一つ、

天魁星

の刻印がある。

それは文字でありながら、

空間そのものの重心のようであった。

その一文字があるだけで、

石はもはや単なる器ではない。

天命を保持する核となっていた。

玉座に在る

玉皇大帝 は、

再び眼を開いた。

命は発せられなかった。

だが天は応じた。

第二の星が、前へ出た。

この星の光は、鋭かった。

強いのではない。

揺るがぬのである。

他に従う光ではなく、

自らの軸を持つ光であった。

星は進み出た。

止まらなかった。

迷いがないのではない。

迷いをすでに通過していた。

石の前に至り、

星は静止した。

玉皇大帝は問うた。

「重さを知るか」

星は答えなかった。

しかし、その光はわずかに深くなった。

理解したのである。

重さとは、力ではない。

力は動かす。

重さは、動かさぬ。

動かさぬものこそが、

動かす力の中心となる。

玉皇大帝の手に、再び光が集まった。

光は刃となる。

刃は石に触れた。

前日と同じく、音はない。

しかし、刻まれていくごとに、

天の深層で、何かが固定されていった。

一画。

また一画。

刻まれるたびに、

星の光が、わずかに変化した。

外へ向かっていた光が、

内へ沈み始めたのである。

天罡星。

天変地異を止める神

災害・乱気・邪気を鎮める力を持つ。

亡者を導き、迷う魂を救う。

強烈な陽の力を持つ神

「天の真陽」「中黄星」宇宙の中心にある陽の精を象徴する。

最後の一画が刻まれたとき、

石の内部で、

二つの刻印が、互いに位置を定めた。

まだ触れてはいない。

だが、すでに関係していた。

孤立した存在ではなく、

構造の一部となったのである。

玉皇大帝は、星を見た。

「留まることはできぬ」

それは命ではない。

確認であった。

星は動かなかった。

だが、その光は、わずかに低く沈んだ。

受け入れたのである。

完全なる秩序においては、

動かぬ者は、不要である。

だが、

不完全なる世界においては、

動かぬ者こそが、

すべての中心となる。

星は、沈み始めた。

光が薄れたのではない。

距離が生まれたのである。

天と星の間に、

層が生まれた。

雲を抜け、

まだ形を持たぬ時間の層へと降りていく。

そのとき、

地上のある場所で、

一つ石碑が、

理由もなく、

静かに、置かれた。

それは、山でもなく、

都でもなく、

道でもなかった。

人が通ることはあっても、

留まることのない場所であった。

石は、ただ在った。

誰も運んだ者はいない。

誰もそれを見ていない。

ただ、

そこに在るという事実だけが生まれた。

誰も気づかなかった。

だが天は知っていた。

第二の器は、

定められた。

玉皇大帝は、再び石を見た。

そこには今、

二つの名が刻まれていた。

天魁星。

天罡星。

まだ始まったばかりである。

だが、

すでに、戻ることはできない。

玉皇大帝は、静かに眼を閉じた。

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