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降誕・新・水滸伝・続篇  作者: velvetcondor guild


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15/59

15 降誕・新・水滸伝

村を束ねる者

少年の頃、

森の石碑の前に立った日から

晁蓋の心には

不思議な力が宿った。

それが何であるか

本人は知らない。

だが

困っている者を見ると

体が先に動く。

争いを見ると

止めに入る。

そんな少年であった。

年月は流れ

晁蓋は青年となる。

体は大きく、

腕も強い。

しかし

人々が彼を頼った理由は

その力ではなかった。


ある年。

村に

大きな干ばつが来た。

田は割れ

川は細くなり

多くの家が

米を失った。

村人たちは

互いに疑い始めた。

「誰かが水を独り占めしている」

「上流の村のせいだ」

言い争いが起きた。


その時

晁蓋が前に出た。

彼は言った。

「争っても

水は増えない。」

そして

自分の家の米蔵を開けた。

「これを皆で分けよう。」

村人たちは驚いた。

晁蓋の家は

決して大富豪ではない。

それでも彼は

迷わず米を出した。

その姿を見て

他の家も倉を開いた。

争いは

そこで止まった。


また別の年。

盗賊が

近くの村を襲った。

人々は恐れ

夜になると戸を閉ざした。

晁蓋は

若者たちを集めた。

「村を守ろう。」

彼は武勇に優れていたが

力だけで戦おうとはしなかった。

見張りを置き

道を固め

皆で守る方法を考えた。

盗賊は

やがてこの村を避けるようになった。


村人は言う。

「晁蓋がいれば安心だ。」

やがて

年老いた村の長が

晁蓋を呼んだ。

「お前に

村を任せたい。」

晁蓋は首を振った。

「私は

ただの農夫です。」

老人は笑った。

「皆がお前を頼っている。」

「それが長というものだ。」


その年

晁蓋は

村の長となった。

だが

彼は変わらなかった。

村人と同じように働き

田を耕し

困った者がいれば

必ず助けた。

村人はまだ知らない。

この男が

やがて多くの豪傑を集め

天下を震わせる

大きな運命へ

歩み始めていることを。


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