10 降誕・新・水滸伝
天命刻印録
導きの石
遠い天界。
白玉の宮。
そこには
大元の石碑が立っている。
百八の刻印。
百八星の名。
それを見守るのは
玉皇上帝。
その傍らには
元始天尊
霊宝天尊
道徳天尊。
三清は
地上を見ていた。
百八星の器は、地上界に、散らばった。
だが
三清の一柱が言った。
「星だけでは
世は動きません。」
天帝は静かに頷いた。
「その通りだ。」
「星の魂は光である。」
「だが光を集める
大器が必要だ。」
天帝は手を上げた。
その瞬間。
白玉の宮の床から
新たな石が現れた。
それは
百八の名を持たない石。
ただ
一つの文字だけが刻まれていた。
義。
三清が問う。
「これは何でしょう。」
天帝は答えた。
「導きの石碑だ。」
「星ではない者、導くための石。」
その石は
ゆっくりと光り
やがて
天界から落ちていった。
雲を抜け
風を越え
地上の山へ落ちる。
山東の森。
誰も来ない
古い山道。
その奥に
石は立った。
苔が生え
風にさらされ
長い年月が流れる。
だがその石は
ただ待っていた。
ある者を。
そしてある日。
一人の少年が
父に手を引かれて
その山へ来た。
少年は石を見た。
不思議と
目が離せない。
そして手を触れた。
その瞬間。
石の奥で
静かな光が生まれた。
遠い天界。
天帝はそれを見て
小さく言った。
「見つけたか。」
三清は黙っていた。
だが一柱が
静かに言った。
「この者が
門となるのだな。」
天帝は答える。
「そうです。」
「星はこの者のもとへ集まる。」
晁蓋は
まだ何も知らない。
ただ
その石を見ていた。
天帝は静かに言う。
「時が来れば」
「二人は会う。」
「そして導きが起こる。」
「その時」
「百八星は動く。」




