表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
降誕・新・水滸伝・続篇  作者: velvetcondor guild


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/59

1 降誕・新・水滸伝

絶後の零 ― 三柱の対峙


そこは、三つの宇宙の根源が正面から組み合い、削り合った場所。

その衝撃の果て、すべてが極限の静止へ導かれた。

絶後の零。

そこには、もはや「空気」すら存在しない。

三清の気が激突し、互いの輪郭を規定し合った結果、空間はその重圧に耐えかねて、一滴の不純物も許さない透明な塊へと変じた。

それまで園の端にたゆたっていた迷いのような霧は、流れ去ったのではない。三柱の放つ聖なる圧に圧し潰され、真空の彼方へと弾き飛ばされたのだ。

あとに残されたのは、あまりに鋭利で、あまりに冷徹な、削ぎ落とされた虚無。

鏡面化した時間の断面。

足元の雲海は、もはや雲であることをやめた。荒れ狂っていた水は、三つの重力が完全に均衡した刹那、一万年の静止へと凍りついた。

それは白銀の鏡というより、硬質な透明な板。一寸の凹凸もなく、光を反射することさえ拒むほどに滑らかで、触れれば魂ごと断ち切られるような、冷たい不動が続いている。

肺を刺す透明な重み。

そこにあるのは、清涼感ではない。吸い込めば、肺胞のひとつひとつが天理の重圧に貫かれ、個としての己が霧散していくような、如何なるものの生存をも許さぬほどの純粋。

吐き出す息さえもが、その場の静謐を乱す「汚れ」として、即座に無へと解体されてゆく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ