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十五
半月前に殺された娘が見つかった場所に六飛は立っていた。
辺りに人気はない。無残な死体があった通りに、わざわざ日の落ちたあとに近づく者もいないのだろう。
月の光の中に、娘の姿が浮かんでいた。目にいっぱい涙を溜めて何かを見ている。捩った体が、月明かりに青白く透ける。
怖い。痛い。
音のない言葉が心に刺さって、六飛は娘に近づく足を止めた。
助けて。
宙に伸ばした手をつかんでやることはできなかった。娘の目から涙がこぼれ、声にならない悲鳴とともに青白い体がかき消える。
六飛は目を伏せた。胸が痛い。
そして、自分には殺された娘の姿が見えるだけだった。月の光の助けを借りても、彼女が最後に見たものを知ることはできない。
見鬼なら、それができる──浮かんだ考えをすぐに心の奥深く沈め、六飛は通りに背を向けた。きゅっと唇を結んで。




